音楽イタリア語小辞典


  「音楽用語」は、よく見ると音符と同等の面白さに出会うものだ。 作曲家が選んで楽譜上に記入(=作曲)したのだから、それは当然とも言えよう。

  楽譜に頻繁に記入される指示語は日常イタリア語である。 従って、楽譜上の専門用語(いわゆる「音楽用語」)は存在しない、と知ることがニュアンス理解に一歩近づくことになる。

  外国語を日本語訳のみで理解することは危険が多い。草木の観察中に、その名前を知ると、もはや理解できたような錯覚に陥り、草木そのものへの関心が薄らいでしまうことがあるのに似ている。大切なことは、訳語を手がかりに、原語の概念・雰囲気を感じ取ることであろう。

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【例外アクセント】と【例外S発音】はアンダーラインから赤字表示に変更しました(2006.4.28)

凡例 と言えるほどのものではありませんが
アクセント (1)イタリア語のアクセントは、一般に、後ろから2つ目の音節の母音に付く。それ以外の場所に付く場合は赤字で示しました。 (音節は、その単語をゆっくり発音すると切れる場所で分けることができます)
(2)アクセント文字(参照:「規則集」序論)は、どこにあっても、アクセントの付いた発音です。
(3)日本語と異なり、アクセント部分は、「強く」また一般に「長音」で発音されます。
例: subito スービト・すぐに(アクセント位置は例外で、後ろから第3音節目にあります)
動詞の原形  ・  の右に原形を示します。 辞書を引く場合に利用して下さい。 音楽標語には、動詞の過去分詞形(参照:「規則集」接尾辞)が度々使用されます。
例: tenuto < tenere
S の発音 (1)「母音に挟まれた清音S」は赤字で示しました。/「母音に挟まれたS」=濁音となる場合が「多い」=清音となる場合が「少なくない」。母音に挟まれたSは常に濁音である、という通説は誤解です。
(2)「母音に挟まれない濁音S」は赤字で示しました。/「母音に挟まれないS」=濁音となる場合が少なくありません。
(3)「母音に挟まれたSS]=例外なく清音です。
例: (1) amoroso アモロー・愛情を込めて、(2) pesante ペテ・重苦しく、(3) fortissimo フォルティッシィモ・出来うる限り強く
 参照:イタリアあれこれ「Sの発音」
品 詞  ・ イタリア語と同じ品詞の日本語に置き換えると、意味難解の場合が多いので、文法上の品詞対応は敢えて無視し、特に形容詞は殆ど形容動詞または副詞的日本語表現に置き換えましました。
発 音
ハツオン
 ・ カタカナで発音を付したが、あくまでも便宜的なものです。
英語表記  ・ 日本語訳より、英語訳の方が概念理解が容易・適切なものは「英 eitango」の形で示しました。

a
ad
 ・ 英 at =〜で
反義語: da = 英 from
参照:前置詞
 母音の前では ad となるが楽譜上で、その使用は極めて希である。 発音の都合で d が付加されるため、例えば ad Osaka(大阪へ)の発音は[ア・ドーサカ]であり、[アド・オーサカ]ではない。
  ed(英 and)の発音も同様で、たとえば「Tokio ed Osaka 東京と大阪」の発音は「トーキョ・エ・ドーサカ」である。共に英語の発音に極めて近いことに「嫉妬」を感ずる。/参照: ed
  「英 to =〜へ」の意味もあるが、楽譜標語で出現する場合は at の意味がほとんどである。 この前置詞を省いても同意となる場合もある。
  a bocca chiusa
  ア・ボッカ・キューサ
 ・ ハミングで/直訳:閉じた口の状態で
前置詞を省き bocca chiusa(直訳:閉じた口)としても同意である。
chiuso(キューソ)< chiudere(閉じる)の不規則活用過去分詞形=形容詞。 形容詞語尾母音間の sは清音である。
  a cappella
  ア・カッペッラ
 ・ 無伴奏で、無伴奏合唱(曲)/直訳:教会風に
アカペラの意味は歴史的に変遷し、オルガン伴奏による声楽、または無伴奏男声合唱を意味する時期もあった。
同義語: alla Palestrina
  a capriccio
  ア・カプリッチョ
 ・ 気ままな雰囲気で、自由なテンポで/直訳:勝手に
同義語: capriccioso 等多数
参照: a piacere
  ad libitum
  ad lib.
  アドゥ・リビトゥム
 ・ 直訳:自由に(ただし、テンポのみを)
参照: a piacere
同義語: tempo ad libitum
ラテン語ではあるが、外来語のイタリア語として定着している。イタリア語ではないので、子音の前であるが前置詞は a ではない。
 ラテン語→フランス語→スペイン語→イタリア語・・・の順で変化したと言われるが、私にはイタリア語が一番ラテン語の語感に近いと思われる。
  a piacere
  ア・ピアチェーレ
 ・ 自由なテンポで/直訳:好きなように
同義語: a capriccio, ad libitum, (a) tempo rubato, senza tempo
反義語: in tempo
ジャズなどではメロディー、芝居などでは言葉まで「アドリブ」できるが、クラシック音楽で「好きに」できるのは、記譜のないカデンツァ部分以外はテンポだけである。
  a punta d'arco
  ア・プンタ・ダルコ
 ・ 弓の先で
d'arco = di + arco = 英 of arch(=bow)
  a tempo
  ア・テ
 ・ 元のテンポで/直訳:テンポで
ritardando, accelerando, allargando 等で部分的に変更した速度を、その直前の速度に戻す指示。
注意: tempo primo(曲頭の速度)とは一致しない場合が多い。
 参照:イタリアあれこれ「テンポと速度
  a tempo rubato
  ア・テポ・ルバート
 ・ 自由なテンポで/直訳:無テンポで
rubato < rubare(除去する、盗む)
前置詞を省き tempo rubato も使用される。
参照: a piacere
 「盗まれたテンポで」との直訳が多く見られるが、何のことか解りにくい。 上記 a tempo のテンポ概念(イタリアあれこれ「テンポと速度」)を参照頂くと、「テンポ無し」の意味がご理解頂けよう。
-abile
 アービレ
英 -able/動詞を形容詞にする語尾
例: cantabile = cantare(歌う)+ abile/アクセントは語尾より3音節目にある
accelerando
アッチェレランド
 ・ 次第に速く
<accelerare(加速する)の gerundio(動名詞)
同義語: affrettando/類似語:agitato
反義語: rallentando
accento
アッチェント
 ・ アクセント(を付けて)
adagietto
アダジエット
 ・ adagio ほど遅くなく
= adagio + -etto(縮小辞)
adagio
アダージオ
 ・ ゆっくりと、ゆるやかに
曲の終結部でよく使用されるが、元の意味である「くつろいだ、穏やかな」雰囲気を持ったゆるやかさを要求している場合が多い。
affabile
アッファービレ
 ・ 優雅に、心地よく/直訳:愛想のよい、親切な
affettuoso
アッフェットゥオーソ
 ・ 愛情込めて
= affetto(アッフェット・母親が子どもを慈しむような愛情)+ oso
参照:「凡例・母音間の s
affrettando
アフレッタンド
 ・ 次第に速く
<affrettare(急がす)の gerundio(動名詞)
同義語: accelerando
類似語: agitato
agitato
アジタート
 ・ せき込んで、次第に速く
「不安な気分で」または「激して」の気持ちを含んだ accelerando
<agitare(アジターレ・扇動する、苛立たせる)の過去分詞(=形容詞)
類似語: accelerando, affrettando
al/alla
アル/アッラ
 ・ a + 男・女性定冠詞(〜で、〜まで)
英 at the または to the
参照:前置詞
  al fine
  アル・フィーネ
 ・ フィーネ(終止記号)まで/da capo, dal segno 等と共に使用される。
英 to the end(=fine)
  alla breve
  ラ・ブレーヴェ
 ・ 2分の2拍子/直訳:二全音符で
breve = 二全音符(全音符の2倍の歴時を持つ音符)または休符=2分音符4個分に相当する。 従って古くは2分の4拍子を意味したが、現代では2分の2拍子を意味する。
  alla marcia
  ラ・マルチャ
 ・ マーチ風に
同義語: marciale
  all'ottava alta
  アロッターヴァ・アルタ
 ・ 完全8度(1オクターヴ)高く
同義語: ottava alta, 8va alta
  all'ottava bassa
  アロッターヴァ・バッサ
 ・ 完全8度(1オクターヴ)低く
同義語: ottava bassa, 8va bassa
  alla Palestrina
  ラ・パレストリーナ
 ・ 無伴奏合唱形式で、パレストリーナ風に
Giobanni Pierluigi Palestrina (1526-94) はポリフォニックで無伴奏形式の合唱曲を多く残したので、このように称される。
同義語: a cappella
  alla polacca
  ラ・ポラッカ
 ・ ポーランド風に
  alla tedesca
  ラ・テデスカ
 ・ ドイツ風に
  alla turca
  ラ・トゥルカ
 ・ トルコ風に
  alla zingara
  ラ・ツィンガラ
 ・ ジプシー風に
  alla spagnola
  ラ・スパニョーラ
 ・ スペイン風に
allargando
アラルガンド
 ・ 次第に強くかつ速度をゆるめて/直訳:次第に広げて
= crescendo e ritardando
= a(動詞を作る接頭辞)+ largo + ando = allargare(広げる)の gerundio(動名詞)
同義語: largando
allegramente
アレグラメンテ
 ・ 快活に、楽しげに
= allegro + -mente(副詞を作る接尾辞) 
allegretto
アレグレット
 ・ allegro ほどではなく(訳例:やや活き活きと、やや速く)
= allegro + -etto(縮小辞)
allegrissimo
アレグリッシモ
 ・ できる限り allegro で(訳例:実に愉快そうに、とても速く)
= allegro + -issimo最上級を作る語尾)
allegro
アレグロ
 ・ 愉快に、快活に、快速に
例: andante allegro =活き活きと、ただし早すぎずに(演奏せよ)
注:「気分爽快」の気持ちを表現する日常語であり、その気持ちで演奏することが、結果として「速い速度」になることが多いに過ぎない。 allegro =「早く」のみの図式理解では、上例は理解できない。
参照:「規則」続々本論
 単純に速度標語と理解しない方がよい。 イタリア語を理解するヨーロッパ人には常識のこのことが、日本では意外に知られていない事実に気が付き、このHPを作る気になった次第。
alto/-a
アルト/アルタ
 ・ アルト(女性低声)、高く、ヴィオラ/直訳:高い
例: ottava alta(1オクターブ高く)、alti(アルトパートの人々)
同義語: sopra (形容詞「高い」の意味の場合の同義語)
反義語: basso/-a
 日本で相撲の土俵に女性が未だ上がれないように、イタリアでも教会の聖歌隊に女性が入れない時代があった。 従って、男性テノールよりもっと「高い(alto)」パートは、男性の子どもやカストラート歌手が努めた。 さらに「超」高い(sopra)パートは soprano と称する。
 なお、弦楽器では viola を指す。 弦楽のヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスを、人声のSATB(ソプラノ、アルト、テノール、バス)と対応させてのことであろう。
amabile
アマービレ
 ・ 愛らしく、上品に
<amare(愛する、恋する)+abile の形容詞/発音は後ろから3音節目にアクセントが落ちる。
同義語: amoroso
amoroso
アモローソ
 ・ 愛情込めて、優しく
名詞 amore(愛、恋愛)+ -oso(形容詞)/Sは清音発音である
同義語: amabile, con amore
 上記 amare の名詞形が amore である。 amare が恋愛感情から愛情一般にも使用されるのに対し、amore は色恋の愛情の意味に多く使用される感がするが、音楽上はほぼ同意と考えて差し支えないであろう。
ampiezza
アンピエッツァ
 ・ 広さ、豊かさ
使用例: con ampiezza・広々と
anche
アンケ
 ・ もまた、更に/英 also
ancora
アンコーラ
ancor
アンコール
 ・ なお、再び
ancor は ancora の語尾切断(トロンカメント)で、同一単語。
andante
アンダンテ
 ・ ゆっくり歩く速度で
<andare(歩く)の現在分詞
注:「歩く速度」を示す標語であるが、現代の目的地に向かう「歩行速度」のような早さではなく、あてもなく「散策する」ゆっくりとした歩行速度である。
参照:「規則集」続々本論
andantino
アンダンティーノ
 ・ andante ほど遅くなく
andante + -ino(縮小辞)
-ando
〜アンド
 ・ 「次第に〜する」の意味を表す接尾語
gerundio(動名詞)であるが、英語の -ing とは若干ニュアンスを異にする。
= -endo/ -ando, -endo いずれを選ぶかは語呂による。
anima
アニマ
 ・ 活気/一般的意味:魂、霊
例: con anima
animato
アニマート
 ・ 活き活きと
同義語: con anima, con brio
<animare(生命を授ける)の過去分詞(=形容詞)
-ante/-ente
〜アンテ/エンテ
動詞の現在分詞形を作る語尾
appassionato
アッパッショナート
 ・ 情熱的に
<appassionare(情熱的になる)の過去分詞(=形容詞)
同義語: con passione
arco
アルコ
 ・ 弓(で演奏せよ)/英 arch
指で pizzicato 演奏していたものを、弓での演奏に戻す指示
同義語: coll'arco = con l'arco(英 with the bow)
aria
アーリア
 ・ アリア、歌、詠唱/その他の直訳:空気、天
反義語:叙唱 recitativo[レチタティーヴォ]
arioso
アリオーソ
 ・ 歌うように
= aria + -oso(形容詞)/Sは清音発音である
同義語: cantabile
arpa
アルパ
 ・ ハープ、竪琴
arpeggio
アルペッジョ
 ・ アルペジオ
arpa で演奏する(arpeggiare)如く、分散和音を演奏すること。
assai
アッサーイ
 ・ 非常に、とても/英 most, enough, much
同義語: molto, -issimo, il più/参照:最上級
attacca
アッタッカ
 ・ 次の楽章・曲を、続けて演奏せよ/直訳:結べ
動詞 attaccare(結びつける)の命令形
同義語:segue
basso/-a
バッソ/バッサ
 ・ 低い、低声部/英 low, bass
例: ottava bassa(1オクターヴ低く演奏せよ)、bassi(バスパートの人々)
同義語: sotto (形容詞「低い」の意味の場合の同義語)
反義語: alto/-a
beffardo
ベッファルド
 ・ ふざけて、嘲笑する如く
bene/ben
ベーネ/ベン
 ・ 充分に
ben = bene の語尾切断(トロンカメント)
例: ben marcato(はっきりアクセントを付けて)
bis
ビス
 ・ 二度、繰り返し/英 twice
 ラテン語だが、外来イタリア語として常用される。 なお、ヨーロッパ諸国では、演奏を讃えてアンコールを要求する場合 ancor(a) より bis が多く使用される。 bis bis bis ・・・ の叫び+手拍子で、次第に会場内がユニゾンになってアンコールを要求する。
bocca chiusa
ボッカ・キューサ
 ・ ハミングで/直訳:閉じた口
chiusa < chiudere(閉じる)の(不規則変化形)過去分詞(=女性形形容詞/男性形 = chiuso)/母音間のSであるが清音発音である。
同義語: a bocca chiusa
brillante
ブリッランテ
 ・ 輝かしく、華やかに/英 brilliant
<brillare(輝く)の現在分詞
buffo/-a
ブッフォ/ブッファ
 ・ おどけ(て)
例: opera buffa(コミック・オペラ)

ca.
チルカ
 ・ 約、およそ/circa の省略形
「カ」とは読まず「チルカ」とフルネームで読み、英語同様、省略を示すドットを伴う。
calando
カランド
 ・ 次第にゆっくりそして弱く
<calare(痩せる、和らぐ)のgerundio(動名詞)
= ritardando + decrescendo
同義語: mancando, morendo, perdendosi, smorendo, smorzando
calmato
カルマート
 ・ 落ち着いて、穏やかに
<calmare(静める、和らげる)の過去分詞(=形容詞)
cantabile
カンタービレ
 ・ 歌うように
<cantare(歌う)+ abile
同義語: arioso, cantando
cantando
カンタンド
 ・ 歌うように
<cantare(歌う)のgerundio(動名詞)
同義語: arioso, cantabile
canto
カント
 ・ 歌
同義語: aria
capriccioso
カプリッチョーソ
 ・ 愉快に、自由なテンポで、狂想的に/直訳:移り気な、気まぐれな
同義語: a capriccio
castrato
カストラート
 ・ カストラート(歌手)
<castrare(去勢する)の過去分詞
 男性のソプラノまたはアルト歌手。 美声の少年を声変わり前に去勢し、成人後も高い声をたもつようにした。 1562年にはじめてバチカンの礼拝堂に登場。 教会音楽の歌唱に女性の参加がゆるされず、またローマ教皇領では女性の舞台出演を禁じていたため、アルトやソプラノの声部を男声で代用する必要があった。 87年、カトリック教会は去勢手術を禁止したが、カストラートはなおも存続し、オペラ誕生後の17〜18世紀に全盛をきわめた。 ヘンデルらのオペラには、カストラートのひろい音域と超人的な歌唱技巧を前提に書かれたパートが多数ある。(from Encyclopedia 99)
circa
チルカ
 ・ 約、およそ
ラテン語からの外来イタリア語/省略形: ca.
例: circa 120 = 1分間に約120拍演奏する速さで
coda
コーダ
 ・ コーダ、結尾部/直訳:尻尾、終
come
コーメ
 ・ 〜のように、まるで/英 as, like
類似語: quasi
quasi が「大体〜である」のに対し、come は「〜と同様に」で類似の度合いが強い。
comodo
commodo
コモド
 ・ 落ち着いて/直訳:便利な、安楽な
注意:発音は後ろから3音節目にあるので[コモード]とは言わない。
commodo は comodo の俗語で、発音は同じと思って差し支えない程度である。
 日本語訳が大変困難な標語であるが、小生は今のところ「落ち着いて」が一番相応しいと考えている。 音楽的には「気楽な気分」と「程良い速度」の両方を含んだ標語と理解できる。 なお comodo の動詞は accomodare であるが、その命令形で S'accomodi. (サッコモディ・どうぞ気楽になさってください)と言って椅子を(日本では座布団を)勧めることは、日常茶飯事の光景であり、座った椅子(sedia)が気に入ると、Comoda! 等と応じるわけである。 楽譜上でも、その日常語イメージがダブって多用されていると考えられる。
col/colla/coll'  ・ 英 with the
col+[男性単数名詞]、colla+[女性単数名詞]、coll'+[男性単数・母音開始名詞]
参照:前置詞
  col canto
  コル・カント
 ・ 歌(のテンポ)に合わせて/直訳:歌と共に
同義語: colla voce
  col legno
  コッレーニョ
 ・ 弓の背の木部(レーニョ)で弦を打つ弦楽器の奏法/直訳:木で
  coll'arco
  コッラルコ
 ・ 弓で(演奏せよ)/英 with the arch
= con l'arco(英 with the bow)
指で pizzicato 演奏していたものを、弓での演奏に戻す指示
  colla punta dell'arco
  コッラ・プンタ・デッラルコ
 ・ 弓の先で
同義語: a punta dell'arco 
  colla voce
  コッラ・ヴォーチェ
 ・ 歌(のテンポ)に合わせて/直訳:声と共に
同義語: col canto
参考: voce = 女性名詞、canto = 男性名詞
  coll'ottava alta
  コロッターヴァ・アルタ
 ・ 1オクターヴ上の音を重ねて(演奏せよ)/直訳:上の8度音程と共に
注:ピアノ右手単音部分などに使用される。ottava alta との違いに注意。
  coll'ottava bassa
  コロッターヴァ・バッサ
 ・ 1オクターヴ下の音を重ねて(演奏せよ)/直訳:下の8度音程と共に
注:ピアノ左手単音部分などに使用される。ottava bassa との違いに注意。
con  ・ 英 with
以下の如く、抽象名詞には定冠詞を伴わない。
  con amore
  コン・アモーレ
 ・ 愛情込めて
同義語: amabile, amoroso
  con ampiezza
  コン・アンピエッツァ
 ・ 広々と、豊かに
  con anima
  コン・アニマ
 ・ 活き活きと、快活に/直訳:魂を持って
同義語: animato, con brio
  con brio
  コン・ブリオ
 ・ 活き活きと、快活に/直訳:活気を持って
同義語: animato, con anima
  con dolore
  コン・ドローレ
 ・ 悲しげに、苦しそうに
同義語:dolente, doloroso, elegiaco
 聖書にテーマを置く楽曲の場合、この標語には、単なる「悲しみ」以上の意味を想起させる。参照:「イタリアあれこれ・聖母の嘆き
  con energia
  コン・エネルジア
 ・ 精力的に、勢いを持って
同義語: energico
  con espressione
  コン・エスプレッシオーネ
 ・ 表情豊かに
同義語: espressivo
  con forza
  コン・フォルツァ
 ・ 力強く
参考: forza(力、強さ)は forte の名詞形である
  con fuoco
  コン・フオーコ
 ・ 熱烈に、火のように
  con grazia
  コン・グラーツィア
 ・ 優雅に、上品に
同義語: grazioso[グラツィオーソ]
  con l'arco
  コン・ラルコ
 ・ 弓で(演奏せよ)/英 with the arch
= coll'arco(英 with the bow)
指で pizzicato 演奏していたものを、弓での演奏に戻す指示
  con moto
  コン・モート
 ・ 早めに、活き活きと
  con ottava alta
  con 8va alta
  コン・オッターヴァ・アルタ
 ・ 1オクターヴ上の音を重ねて(演奏せよ)/直訳:上の8度音程と共に
注:ピアノ右手単音部分などに使用される。ottava alta との違いに注意。
  con ottava bassa
  con 8va bassa
  コン・オッターヴァ・バッサ
 ・ 1オクターヴ下の音を重ねて(演奏せよ)/直訳:下の8度音程と共に
注:ピアノ左手単音部分などに使用される。ottava bassa との違いに注意。
  con passione
  コン・パッシオーネ
 ・ 情熱的に
同義語: appassionato
  con pedale
  コン・ペダーレ
 ・ ペダルを使用して
ピアノ、オルガン、ハープ、ティンパニー、ヴィブラフォーン等に使用される。
反義語: senza pedale
  con sentimento
  コン・センティメント
 ・ 感情を込めて、感傷的に
後者の同義語: sentimentale
  con slancio
  コン・ランチョ
 ・ 突進して、激情的に
発音:母音に挟まれないが濁音のSである
  con soldino
  コン・ソルディーノ
 ・ 弱音器を使用して
反義語: senza sordino
  con spirito
  コン・スピリート
 ・ 元気よく、生気を持って
= spiritoso
  con tenerezza
  コン・テネレッツァ
 ・ 優しく
同義語: teneramente
  con tristezza
  コン・トリステッツァ
 ・ 悲しげに
  con tutta la forza
  コン・トゥッタ・ラ・フォルツァ
 ・ 全力で
= con tutta forza, tutta la forza, tutta forza
coro
コーロ
 ・ コーラス、合唱
corona
コローナ
 ・ フェルマータ記号/直訳:王冠
crescendo
cresc.
クレシェンド
 ・ 次第に大きく、次第に強く
<crescere(増加する)の gerundio(動名詞)
省略形 cresc. の発音は crescendo である。
反義語: decrescendo
cullando
クランド
 ・ 揺りかごで揺らすように
<cullare(赤ん坊をあやす)の gerundio(動名詞)

da  ・ 〜から/英 from
  da capo
  ダ・カーポ
 ・ 曲頭から(終止記号まで繰り返しせずに演奏せよ)
参照: D.C.
dal  ・ 〜から/英 from the
参照:前置詞
  dal segno
  ダル・セーニョ
 ・ 記号から(終止記号まで繰り返しせずに演奏せよ)
参照: D.S.
D.C.
ダ・カーポ
 ・ 曲頭から終止記号まで繰り返しせずに(演奏せよ)
= da capo al fine senza ripetizione (英直訳 from head to the end without repeat)の省略記号。 ripetizione の代わりに replica も使われる。
注意:曲頭から繰り返す際は繰り返し記号があっても無視して演奏せよ、の意味をも含む標語である。
deciso
デチーソ
(デチーゾ)
 ・ 決然と、はっきりと
<decidere(決定する)の形容詞形。
発音:形容詞であるので[デチーソ]だが、例外的に[デチーゾ]の濁音発音も行われる。
= risoluto
declamato
デクラマート
 ・ 叙唱、話をするように
<declamare(朗読する)の過去分詞(=形容詞)
同義語: recitativo
decrescendo
decresc.
デクレシェンド
 ・ 次第に弱く
de- は反義語を作る接頭辞。 発音は[ディクレシェンド]ではない。
省略形 decresc. の発音は decrescendo である。
<decrescere のgerundio(動名詞)
同義語: diminuendo
反義語: crescendo
delicatamente
デリカータメンテ
 ・ 繊細に、優美に/英 delicately
= delicato + -mente(副詞を作る接尾辞)
delicatezza
デリカテッツァ
 ・ 繊細さ、優美さ(名詞)
delicato
デリカート
 ・ 繊細な、上品な(形容詞)
di
ディ
 ・ 英 of
参照:前置詞
希に、英 than の意味に使用される(参照 più A di B)。
diminuendo
dim.
ディミヌエンド
 ・ 次第に弱く
省略形 dim. の発音は diminuendo である。
<diminuire(減らす、弱める)のgerundio(動名詞)
同義語: decrescendo
反義語: crescendo
diva
ディーヴァ
 ・ オペラのプリマドンナ/直訳:女神
参照: primo (la prima donna)
divisi
ディヴィージィ
 ・ 分奏で、同一パート内で多声に分かれて
diviso[ディヴィーゾ]= dividere(分割する)の過去分詞つまり形容詞。 divisi は、その形容詞複数形。  形容詞であるが語尾は例外的に単・複数とも濁音発音である。
dolce
ドルチェ
 ・ 甘く、優美に
 参照:食後にドルチェはいかが?
dolente
ドレンテ
 ・ 悲しげに、苦しそうに
<dolere(悩ます、苦します)の現在分詞
同義語:doloroso, con dolore, elegiaco
doloroso
ドロローソ
 ・ 悲しげに、苦しそうに
dolore(苦しみ)+ -oso(形容詞)/Sは清音発音である
同義語:dolente, con dolore, elegiaco
 聖書にテーマを置く楽曲の場合、この標語には、単なる「悲しみ」以上の意味を想起させる。参照:「イタリアあれこれ・聖母の嘆き
D.S.
ダル・セーニョ
 ・ 記号から終止記号まで繰り返しせずに(演奏せよ)
= dal segno al fine senza ripetizione (英直訳 from the sign to the end without repeat)の省略記号。 ripetizione の代わりに replica も使われる。
参照: dal segno
注意:記号から繰り返す際は繰り返し記号があっても無視して演奏せよ、の意味をも含む標語である。
e/ed
 ・ 英 and
母音の前では ed となる。 発音を明瞭にするためであり、発音は e + d(母音開始単語)となる。
例: dolce ed elegante[ドルチェ・エ・デレガンテ]
参照: ad
eccitato
エッチタート
 ・ 興奮して、激して
<eccitare(励ます、刺激する)
elegante
エレガンテ
 ・ 優雅に、上品に
elegiaco
エレジャーコ
 ・ 悲しげに
同義語: dolente, doloroso
-endo
〜エンド
 ・ 「次第に〜する」の意味を表す接尾語
gerundio(動名詞)であるが、英語の -ing とは若干ニュアンスを異にする。
= -ando/ -ando, -endo いずれを選ぶかは語呂による。
energico
エネルジーコ
 ・ 力強く、精力的に
同義語: con energia
esagerato
エザジェラート
 ・ 誇張して、大げさに
<esagerare(誇張する)の過去分詞
espressivo
エスプレッシィーヴォ
 ・ 表情豊かに
同義語: con espressione
estatico
エスターティコ
 ・ 恍惚として、無我夢中で
fermata
フェルマータ
 ・ 停止/英 stop
<fermare(停止させる)の過去分詞から作られた女性名詞。
同義語: corona
 意味1:音符・休符の上に付いた場合=延長記号。 そこでリズムを「停止」させる結果、その音符または休符が適度に延長されることとなる。 その部分の「リズム停止」の感覚が肝心で、2倍の長さを表現するなど論外である。
 意味2:複縦線の上に付いた場合=終止記号(= fine )。 楽曲の停止・終わりを示す。
 意味3:音符の上、または複縦線の上に付く場合=フレーズの終わりを示す。 従って、輪唱曲では各声部組み合わせ位置を示す。
 意味4:単縦線の上、または音符と音符の中間に付く場合=フレーズの切れ目を示す。 または曲の進行を短時間そこで停止させる。
等々、音楽上の意味は多種あるように見えるが、内容は「音の流れを停止する」の一種のみである。
  参照:イタリアあれこれ「フェルマータ
feroce
フェローチェ
 ・ 荒々しく、激しく/直訳:どう猛な、残忍な
fine
フィーネ
 ・ 終わり
fino
fino a
フィーノ・(ア)
 ・ 〜まで/英 till, until
同義語: sino
例: crescendo fino al forte(f になるまで cresc. せよ)
flessibile
フレッシービレ
 ・ 柔軟に、しなやかに
forte
f
フォルテ
 ・ 力強く/直訳:丈夫な、要塞、男
  fortepiano/fp
  フォルテピアーノ
 ・ 強くその後すぐ弱く
  fortissimo/ff
  フォルティッシモ
 ・ 非常に強く
= forte + -issimo(forte の最上級)= molto forte, forte assai
注意:発音は[フォルッシモ]ではない。
 楽譜標語を扱う上では、発音はカナで表す程度で充分と考え、このHPでは厳密に扱ってはいない。 しかし、この語は[te]でなく[ti]と発音したい。 最上級を表す語尾は「〜イッシモ」であることを理解している者には「フォルッシモ」は少々耳障りだ。 pianissimo を「ピアッシモ」と発音しているようなものだからだ。
  fortississimo/fff
  フォルティッシッシモ
 ・ 限界の強さで
= fortissimo + -issimo
最上級の最上級で表現した非日常的造語。
  mezzo forte/mf
  メッゾ・フォルテ
 ・ やや強く/直訳:半分の強さ
発音: z は一般に[ツ]と発音されるが、この語は濁音[ズ]のため[ゾ」となる。
forzare
フォルツァーレ
 ・ 強いる
楽譜上では、このまま(動詞原形)単独では使用されず、次例の活用形で使用される。
参考:形容詞は forte 、名詞は forza (例: con forza)となる。
  forzando
  フォルツァンド
 ・ 強く、強いアクセントを付けて
以下 sforzato まで、すべて同じ意味である。
〜ando = gerundio(動名詞)/〜ato =過去分詞 (=形容詞)
省略形: fz
  forzato
  フォルツァート
 ・ 強く、強いアクセントを付けて
省略形: fz
  rinforzando
  リンフォルツァンド
 ・ 強く、強いアクセントを付けて
省略形: rf, rfz, rinf
  rinforzato
  リンフォルツァート
 ・ 強く、強いアクセントを付けて
省略形: rf, rfz, rinf
  sforzando
  スフォルツァンド
 ・ 強く、強いアクセントを付けて
省略形: sf, sfz
  sforzato
  スフォルツァート
 ・ 強く、強いアクセントを付けて
省略形: sf, sfz
furioso
フリオーソ
 ・ 熱狂的に/直訳:凶暴な
gentile
ジェンティーレ
 ・ 上品に、優しく
gesticolando
ジェスティコランド
 ・ 身振り豊に話すように
giocoso
ジョコーソ
 ・ おどけて、愉快に
gioco(遊び)+ oso = scherzando
giusto
ジュスト
 ・ ちょうど、正確に/英 just
例: tempo justo(正確な速度で)
glissando
グリッサンド
 ・ グリッサンド奏法
音と音の間を滑るように経過的に行う奏法
grandioso  ・ 堂々と、雄大に
grande(巨大な)+ oso
grave
グラーヴェ
 ・ 直訳:重々しい、厳粛な、危篤状態
従って「非常にゆっくり」演奏される標語として多用されるが、ただ遅いのではなく、元の意味を含む指示箇所に意図的に記入されることが多い。 原意を表現することが目的であり、遅くなるのはその結果である。
類義語: pesante
grazia
グラーツィア
 ・ 直訳:優美、好意
使用例: con grazia
 女性名詞であるが、複数形 Grazie!(グラーツィエ/英 Thank you.)は、感謝を示す言葉として日常的に多用される。 最近日本でも、洒落てこの言葉を使うことがあるが、イタリア語のつもりだったら、発音には少し注意をしたい(参照:イタリアあれこれ「ノーと言えない西欧人」)。
grazioso
グラツィオーソ
 ・ 優雅に、上品に
grazia + oso
同義語: con grazia
ho, hai, ha, hanno
オ、アイ、ア、アンノ
<avere = 英 have
英語の have 動詞同様、[avere + 動詞過去分詞=現在完了形]のようにも使用される。
楽譜標語にはまず使用されないが、念のため現在形の人称変化を記しておく。  
avere 単数 複数
1人称 ho abbiamo
2人称 hai avete
3人称 ha hanno
 イタリア人は”h”の発音ができない.(参照:イタリアあれこれ「Hの発音」)
i/il
イ、イル
 ・ 男性定冠詞
参考:男/女/単/複定冠詞= il, lo, l' / la, l' / i, gli / le
音楽標語を解読する上では、前置詞との結合形を理解するだけで充分であろう。
improvvisando
インプロヴィザンド
 ・ 即興的に
in fretta
イン・フレッタ
 ・ 急いで
intensivo
インテンシーヴォ
 ・ 激しく、強烈に
ironico
イロニコ
 ・ 風刺的に、皮肉を込めて

J,K
非イタリア語文字のため、この文字より始まる音楽イタリア語は存在しません
la/l'/le  ・ 女性定冠詞
参考:男/女/単/複定冠詞= il, lo, l' / la, l' / i, gli / le
音楽標語を解読する上では、前置詞との結合形を理解するだけで充分であろう
lamentabile
ラメンタービレ
 ・ 悲しげに、哀れそうに
<lamentare(嘆く) + -abile
同義語: lamentoso
lamentoso
ラメントーソ
 ・ 悲しげに、哀れそうに
= lamento(嘆き) + -oso(形容詞)/Sは清音発音である
同義語: lamentabile
largo
ラルゴ
 ・  幅広く、豊かに、幅広くゆるやかに/直訳:広い、幅広い
非常に遅い速度を示す類似語は下の様にあるが、この標語は「幅の広い川水の流れの如きゆるやかさ」を想定する曲想に指示されることが多い。
類似語: adagio, grave, lento
  largamente
  ラルガメンテ
 ・ 幅広く、豊かに、幅広くゆるやかに
= largo + -mente(副詞を作る接尾辞) /largo(形容詞)が副詞化しただけで、音楽上の意味は largo と同意である
  largando
  ラルガンド
 ・ 次第に強くかつ速度をゆるめて/直訳:次第に広げて
= crescendo e ritardando
= largo + -ando = largare(広げる)のgerundio(動名詞)
同義語: allargando
  larghetto
  ラルゲット
 ・ やや largo に
= largo + -etto(縮小辞)
  larghissimo
  ラルギッシモ
 ・ きわめて largo に
= largo + -issimo/largo の最上級
legato
レガート
 ・ なめらかに、音をつないで
<legare(結ぶ)の過去分詞(=形容詞)
反義語: staccato
  legatissimo
  レガーティッシモ
 ・ きわめて legato に
= legato + -issimo/legato の最上級
反義語: staccatissimo
  non legato
  ノン・レガート
 ・ legato でなく/non = 英 not
参照:否定形
leggero
leggiero
レッジェーロ
 ・ 軽く、軽妙に
イタリア語としては leggero が通常語であり、leggiero は稀用語であるが、音楽では後者の綴りも同等に使用される。
反義語: pesante, grave
 参照:イタリアあれこれ「発音と表記
lento
レント
 ・ ゆっくりと、緩徐楽章(曲)/直訳:のろまな
多くの「速度」標語が、速度以外の意味から派生しているのに対し、ほとんど原意通りの標語である。
類似語: adagio, grave, largo
  lentino
  レンティーノ
 ・ やや lento に
= lento + -ino(縮小辞)
  lentissimo
  レンティッシモ
 ・ きわめて lento に
= lento + -issimo(最上級接尾辞)
liberamente
リベラメンテ
 ・ 自由な表情で
= libero(自由な) + -mente(副詞を作る接尾辞)
lo/l'  ・ 男性定冠詞
参考:男/女/単/複定冠詞= il, lo, l' / la, l' / i, gli / le
音楽標語を解読する上では、前置詞との結合形を理解するだけで充分であろう。
loco
ローコ
 ・ (譜面通りの)実音で/直訳:(その)場所
8va alta または bassa の後で、楽譜通りの実音高で奏する位置を示す標語。
lusingando
ルジィンガンド
 ・ 優しく/直訳:へつらって、お世辞で
ma
 ・ 英 but
mancando
マンカンド
 ・ 次第にゆっくりそして弱く
= ritardando + decrescendo
<mancare(欠けている)のgerundio(動名詞)
同義語: calando, morendo, perdendosi, smorendo, smorzando
mano
マーノ
 ・ 手
語尾は -o であるが例外的に女性名詞のため、形容詞等の修飾語は次例の如く -a の女性形を伴う。
  mano destra
  m.d.
  マーノ・デストラ
 ・ 直訳:右手
ピアノ楽譜で、左手で奏する所より下(左)の音を、右手で奏する指示。
同義語:m.d.(仏語 main droite)/伊仏語とも略語は同型。
  mano sinistra
  m.s.
  マーノ・シニストラ
 ・ 直訳:左手
ピアノ楽譜で、右手で奏する所より上(右)の音を、左手で奏する指示。
同義語:m.g.(仏語 main gauche)/フランス語ではあるが、準外来イタリア語標語。
marcato
marc.
マルカート
 ・ はっきりと、アクセント気味に/直訳:際立たせて
<marcare(マークを付ける)の過去分詞(=形容詞)
「マーク・印」は他より際立たせるために付けるものであることから、一音ごとにアクセント気味にはっきりと演奏する意。
  marcatissimo
  マルカーティッシモ
 ・ 極めて marcato に
= marcato + -issimo= marcato の最上級
marcia
マルチャ
 ・ 行進曲/英: march
marciale
マルチャーレ
 ・ 行進曲風に/marcia の形容詞形
同義語: alla marcia
注意: marciare =行進する(動詞)
martellato
マルテルラート
 ・ 槌で打つ如く一つ一つの音を強く
<martellare(槌で打つ)の過去分詞(=形容詞)
marziare
マルツィアーレ
 ・ 勇壮に/直訳:マルスの神(軍神)の
meno
メーノ
 ・ 英 less/直訳:〜より少なく
意味を否定する「マイナス」の比較級
反義語: più
  meno mosso
  メーノ・モッソ
 ・ 前より早くなく
反義語: più mosso
 「前より遅く」と考えるのは、作曲者の意図からすると、誤訳の部類であろう。それは più lento などで表現しているはずである。強いて肯定形で訳せば「前よりやや遅く」となろう。
-mente
〜メンテ
-mente(副詞を作る接尾辞)
messa di voce
メッサ・ディ・ヴォーチェ
 ・ 直訳:声の置き方
crescendo してから連続して decrescendo する声楽技法
mesto
メスト
 ・ 悲しげに、寂しげに
mezzo
メッゾ
 ・ 英 half(半分)
 この場合のZは有声音(ズ)である。無声音(ツ)で「メッツォ」と発音すると「病弱な、泥酔した」などの別単語となるので、一応注意したい。/参照:mezzo soprano
  mezza voce
  メッザ・ヴォーチェ
 ・ 柔らかい音声で/直訳:半分の声で
同義語: sotto voce
注: voce(声)は女性名詞のため、形容詞の mezzo は mezza となるが、sotto は前置詞のため語尾変化しない。
  mezzo forte
  mf
  メッゾ・フォルテ
 ・ やや forte で/直訳:半分の forte(=forte ほどは強くなく)
大きくも小さくもなく「普通の音量で」と実際上は考えられる。
forte > mezzo forte > mezzo piano
  mezzo piano
  メッゾ・ピアーノ
 ・ やや piano で/直訳:半分の piano(=piano ほどは弱くなく)
mezzo forte > mezzo piano > piano
  mezzo soprano
  メッゾ・ソプラーノ
 ・ メゾソプラノ(女声中声部)
 「メッツォ・ソプラノ」と発音すると「ぐでんぐでんに酔っぱらったソプラノさん」の意味になるので注意しよう。
  mezzo staccato
  メッゾ・スタッカート
 ・ やや staccato で/直訳:半分の staccato
各音を切って演奏するのだが、短すぎぬ程度に。
同義語: semi staccato/類似語: tenuto staccato
misterioso
ミステリオーソ
 ・ 神秘的に
発音は、形容詞語尾のため「清音のS」である。
moderato
モデラート
 ・ 中庸の速度/直訳:適度な、和らいだ
一般に「中くらいの速度」を示す標語として記譜されるが、希に他の単語と組み合わされ、原意を示すことがある。
<moderare(緩和する)の過去分詞(形容詞)
molto
モルト
 ・ 英 most
形容詞の前に置き、最上級の意味を作る副詞。
= -issimo(最上級語尾)、assai、il più
例: molto forte = fortissimo/英語と異なり、1単語に対しどちらの形でも使用される。
注意:molto 〜 および -issimo は全く同じ意味の最上級を示すが、molto fortissimo の如き重複表現は行わない。
  di molto
  ディ・モルト
= molto
熟語であり、di に of(英)の意味はない。
morendo
モレンド
 ・ 次第にゆっくりそして弱く/直訳:命尽きる・息絶える
= morire のgerundio(動名詞)
数量的意味としての同義語はたくさんあるが、この標語は、原意のニュアンスを含めた意図的指示標語であることが多い。
= ritardando + decrescendo
同義語: calando, mancando, perdendosi, smorendo, smorzando
mormorando
モルモランド
 ・ ささやくように、内緒話をするように
mormorare(ささやく)のgerundio(動名詞)
muta
ムータ
 ・ (楽器を)持ち替えよ
mutare(交換する)の命令形。
例: muta in ob. = オーボエに持ち替えよ
nobilmente
ノビルメンテ
 ・ 上品に、気高く
= nobile(上品な)+ -mente(副詞を作る接尾辞)
non
ノン
 ・ 〜しない/英 not
他の言葉に付して、否定の意味を示す副詞。/例: non tanto (多くなく)
 参照:イタリアあれこれ「ノーと言えない西欧人
-oso/a
〜オーソ/オーサ
-oso(形容詞を作る接尾辞)
注:母音間にもかかわらず、形容詞語尾のSは常に清音発音である
ossia
オッシア
 ・ すなわち、または
注:SSは母音に挟まれても、常に清音発音である。/アクセントは o にある。-ia は二重母音の1音節であるから、アクセントは規則通り後ろから第2音節にある単語なのである。
ottava
オッターヴァ
 ・ 8度音程、オクターヴ
注:下記例は女性名詞である。/楽譜内の指示語例は希だが、序数詞(第8番目)として使用される場合は形容詞のため ottavo/-a の男女両形存在する。
  coll'ottava alta
  コロッターヴァ・アルタ
  con ottava alta
  con 8va alta
  コン・オッターヴァ・アルタ
 ・ 1オクターヴ上の音を重ねて(演奏せよ)/直訳:上の8度音程と共に
注:ピアノ右手単音部分などに使用される。ottava alta との違いに注意。
  coll'ottava bassa
  コロッターヴァ・バッサ
  con ottava bassa
  con 8va bassa
  コン・オッターヴァ・バッサ
 ・ 1オクターヴ下の音を重ねて(演奏せよ)/直訳:下の8度音程と共に
注:ピアノ左手単音部分などに使用される。ottava bassa との違いに注意。
  ottava alta
  8va alta
  オッターヴァ・アルタ
 ・ 完全8度(1オクターヴ)高く
同義語: all'ottava alta/まれに alta の代わりに sopra を使うこともある。
注: coll'ottava alta との違いに注意。
  ottava bassa
  8va bassa
  オッターヴァ・バッサ
 ・ 完全8度(1オクターヴ)低く
同義語: all'ottava bassa/まれに bassa の代わりに sotto を使うこともある。
注: coll'ottava bassa との違いに注意。
  ottavino
  オッタヴィーノ
 ・ ピッコロ、高音横笛
1オクターヴ高いフルートを意味する。
parlando
パルランド
 ・ 話をするように
= parlare(話す)のgerundio(動名詞)
同義語: recitando
passionato
パッショナート
 ・ 熱情的に
イタリア語としては稀用語である。通常語は appassionato
同義語: appassionato, con passione
pastorale
パストラーレ
 ・ 牧歌的に
 ・ 田園曲、牧歌曲
楽譜上の記入は前者の意味であり、曲名に使用された場合は後者の意味である。
perdendosi
ペルデンドシ
 ・ 次第にゆっくりそして弱く
= ritardando + decrescendo
同義語: calando, mancando, morendo, smorendo, smorzando
pesante
ペサンテ
 ・ 重々しく、鈍重に
= pesare(動詞/ペサーレ・重さを計る)の現在分詞
類義語: grave
grave の「精神的な重苦しさ」に対し、peso(名詞/ペーソ・目方、重さ)、pasare 等は実際に「目方の重い」ことを言う。また、母音に挟まれたSであるがそれらは清音発音である。pesante は peso の語尾が -ante に変化したものであるため清音のS発音となる。
piacevole
ピアチェーヴォレ
 ・ 楽しげに、心地良げに
アクセントは例外で、後ろから第3音節目にある。
piangendo
ピアンジェンド
 ・ 泣くように、嘆くように
= piangere(ピアンジェレ・涙を流す)のgerundio(動名詞)
piano
p
ピアーノ
 ・ 弱く
この言葉は「平らな、優しい、柔らかい、音が低い、静かに、ゆっくり」など多様な意味に使用されるが、音楽的には「弱く」のみと考えて良かろう。
反義語: forte
  mezzo piano
  mp
  メッゾ・ピアーノ
 ・ やや弱く/直訳:半分の piano
参照: mezzo
  panissimo
  pp
  ピアニッシモ
 ・ 非常に弱く
= piano + -issimo(最上級語尾)
反義語: fortissimo
  pianississimo
  ppp
  ピアニッシッシモ
 ・ 出来うる限り弱く
= pianissimo + -issimo
反義語: fortississimo
最上級の最上級として論理的に作られた非日常的単語。
piccolo
ピッコロ
 ・ 小さな
管楽器の「ピッコロ」は piccolo flaute(ピッコロフラウテ・小さいフルート)がフルネームである。
più
ピュウ
 ・ 英 more
次に続く単語の意味をやや強調する「肯定」の比較級を作る。/他の単語との組み合わせ例は「無限」であるので、ほんの数例を以下に示す。
反義語: meno(「否定」の比較級)
  il più
  イル・ピュウ
 ・ 英 most
形容詞の前について最上級の意味を表す。
同義語: molto, assai, -issimo
使用例: il più forte = fortissimo
  più forte
  ピュウ・フォルテ
 ・ 前より forte で、もっと強く
反義語: più piano
  più mosso
  ピュウ・モッソ
 ・ 前より速く、前より活き活きと
mosso < muovere(ムォーヴェレ・英 move)の過去分詞(=形容詞)
同義語: più animatao
反義語: meno mosso
  più piano
  ピュウ・ピアーノ
 ・ 前より piano で、もっと弱く
反義語: più forte
  più staccato
  ピュウ・スタッカート
 ・ 前より staccato で
  più di
  ピュウ・A・ディ・
 ・ よりで/英 more A than
使用例: più presto di prima(初回より急速に)
この場合の di は、英語の than に相当し、of の意味ではない。
pizzicato
ピッツィカート
 ・ ピチカート、指で弦をつまむ奏法
<pizzicare(つねる)の過去分詞(=形容詞)
反義語: arco, coll'arco, con l'arco
poco
ポーコ
 ・ 英 little
不定冠詞 un を伴わぬ場合は部分否定「少ししか〜しない」の意味を表す。
使用例: poco cresc.=少ししか cresc. しない=「隠し味」的な cresc. を
  poco a poco
  ポーコ・ア・ポーコ
 ・ 少しずつ〜する/英 little by little
「熟語」であるので、不定冠詞 un が付くことはないが上記の意味を表し、部分否定の意味はない。一般に数小節に亘る指示に使用される。
  un poco
  ウン・ポーコ
 ・ 少し〜である/英 a little
使用例: un poco rit. =少し rit. して=聴く人に rit.感を少し感じさせる演奏をせよ。(poco rit. のように「隠し味」的 rit. ではない)
参照: poco
  pochettino
  ポケッティーノ
 ・ ごくわずか
= poco + -etto + -ino(縮小辞)
参照: pochino
同義語: pochissimo/a, pochetto, pochino
  pochetto
  ポケット
 ・ ごくわずか
= poco + -etto/参照 pochino
同義語: pochissimo/a, pochettino, pochino
  pochino
  ポキーノ
 ・ ごくわずか
= poco + -ino/pochittino, pochetto と共に全く同じ意味である。この場合の縮小辞 -etto, -ino は poco の否定概念を更に強調し、否定の最上級となる。
同義語: pochissimo/a, pochettino, pochetto
poi
ポーイ
 ・ それから/英 then
pomposo
ポンポーソ
 ・ 華やかに、盛大に
=pompa(ポンパ・華美)+ -oso(形容詞)/Sは清音発音である
portato
ポルタート
 ・ ポルタート
= staccato + tenuto/音を切るが、フレーズを途切れぬ感じで大事に運ぶような奏法。
<portare(持ち運ぶ)の過去分詞(=形容詞)
portamento
ポルタメント
 ・ ポルタメント
2音間を跳躍せずに音程を滑らかに移動する奏法。
= portare(持ち運ぶ)+ -mento(名詞を作る語尾)
possibile
ポッシービレ
 ・ 出来るだけ、可能な限り/英 possible
使用例: presto possibile = prestissimo
presto
プレスト
 ・ プレスト、急速に
allegro より速い指示語として使用される。
allegro 等の速度標語が本来は別の意味であるのに対し、presto は純粋に速度を意味する言葉である。但し、これは古語で、日常語ではないが、クラシック音楽では速度標語としてよく使われる。
同義語: rapidamente
  prestissimo
  プレスティッシモ
 ・ 極めて速く
= presto + -issimo(最上級語尾)
primo/a
プリーモ/プリーマ
 ・ 英 first/直訳:第一の、最初の
  come prima
  コーメ・プリーマ
 ・ 最初(または直前)の楽想のように
テンポ・強弱等すべてを曲の最初(または直前)の様に戻す指示。/a tempo がテンポのみを直前の様に戻すのに対し、すべての要素を戻す指示語。
  la prima donna
  ラ・プリーマ・ドンナ
 ・ プリマドンナ(オペラの主役女性)
序数詞 prima には定冠詞 la を伴うのが文法上は正しいが、省略使用されることもある。
= diva(ディーヴァ・女神)もプリマドンナと同意によく使用される。
  tempo primo
  テンポ・プリーモ
 ・ テンポプリモ、曲頭のテンポで
a tempo が直前のテンポに戻すのに対し、楽曲最初のテンポに戻す指示語。
quasi
クワージ
 ・ あたかも、ほぼ
二重母音 -ua- の発音は音便変化し「ウア」より「ウワ」となる。日本語で魚を「ウヲ」と発音するのと同じである。
類似語: come
come は「〜と同様に」のニュアンスであるに対し、quasi は「大体〜である」のニュアンスで、類似の度合いが弱い。
quieto
クイエート
 ・ 静かに、穏やかに/英 quiet
二重母音 qui- の発音は音便変化し「クウィ」とも発音するが、「クイ」の方が多いように感じた(が統計を取ったわけではない)。
類似語: silenzio(シレンツィオ:無音状態の静寂を意味する)
rallentando
rall./rallent.
ラレンタンド
 ・ 次第にゆっくり、次第に速度をゆるめて
rallentare(lento の動詞形)のgerundio(動名詞)
同義語: ritardando, slentando
反義語: accelerando, affrettando
rapidamente
ラピダメンテ
 ・ 急速に
rapido(速い・ラピド)+ -mente(副詞を作る接尾辞)
同義語: presto
非常に速い速度標語として使用され始めた現代語。
なお presto は古語であり、日常語ではないが、クラシック音楽では速度標語としてよく使われる。
recitando
レチタンド
 ・ 朗唱(するように)
recitare(朗唱する)のgerundio(動名詞)
同義語: recitativo, declamato
recitativo
レチタティーヴォ
 ・ 朗唱、レシタティーヴォ
同義語: declamato, recitando
religioso
レリジョーソ
 ・ 敬虔に/直訳:宗教的に
-oso(形容詞語尾)/Sは清音発音である
replica
レプリカ
 ・ 繰り返し/英: repeat
使用例: senza replica 繰り返し無しで
= ripetizione
参照: D.C. (= da capo) = da capo al fine senza replica / D.S.
ripetizione
リペティツィオーネ
 ・ 繰り返し/英: repeat
= replica
参照: D.C. (= da capo) = da capo al fine senza ripetizione / D.S.
risoluto
リソルート
 ・ 決然と、はっきりと
<risolvere(決心する、解決する)の過去分詞(=形容詞)/例外的に過去分詞形は2種あり risolto とも。/= solvere(稀用語)
発音:母音に挟まれたSだが、標準語発音は清音のSである。ri(リ) + solvere(ソルヴェレ)であることから、Sは清音となる。
同義語: deciso
ritardando
ritard.
rit.
リタルダンド
 ・ 次第に遅く
ritardare(遅らす)のgerundio(動名詞)
発音:省略形 rit. 等も発音は ritardando と言うべきである。/ちなみに「リット」は Ritto!(起立!)と間違うし、ritard. を「リタルド」と発音すると、音楽理論の知識のあるイタリア人は ritardo(掛留)と聞き取ってしまう。
同義語: rallentando, slentando
ritenuto
riten.
リテヌート
 ・ ただちに速度をゆるめて
ritenere(抑制する)の過去分詞(=形容詞)
rubato
ルバート
 ・ 自由なテンポで/直訳:盗まれた、持ち去られた
同義語: (a) tempo rubato
rumore
ルモーレ
 ・ 騒々しく/直訳:喧噪
使用法: con rumore(騒々しく)
rusticano/a
ルスティカーノ/ナ
 ・ 粗野に、素朴に/直訳:田舎の、百姓の、粗野な
形容詞であるので、いずれの語尾(単数形)も使用され、楽譜上では副詞的意味で使用されることがある。
参考:オペラ Cavalleria rusticana (カバレリア・ルスティカーナ)は、女性名詞「騎兵」に通常の女性形形容詞が付加されたもの。
scatenato
スカテナート
 ・ 解き放たれて、猛りくるって
= s + catenare(鎖で縛る)の過去分詞 = 鎖を解き放った/s は反対の意味を作る接頭辞。
scherzando
スケルツァンド
 ・ 楽しげに、ふざけて
scherzare(遊ぶ、冗談を言う)のgerundio(動名詞)
同義語: giocoso
secco
セッコ
=英 dry/直訳:乾いた、無味乾燥な
音を長く響かさず短く演奏する奏法
使用例:recitativo secco =鍵盤楽器による単純な伴奏のみを持つやや無味乾燥な形式のレシタティーヴォ。18世紀に流行。
segue
セーグェ
 ・ 次に続けて
seguire(後に続く)の命令形。
同義語:attacca
selvaggio
セルヴァッジョ
 ・ 野性的に、野蛮な感じで
semplice
センプリチェ
 ・ 素朴な感じで、単純に
発音:アクセント位置は後ろから3音節目にあるので、後ろから第2音節の「リ」は長音にならない。/参照:「凡例・アクセント
sempre
センプレ
 ・ 常に
使用例:sempre staccato =以後(スタッカート記号が記譜してなくても)絶えずスタッカートで演奏せよ
sentimentale
センティメンターレ
 ・ 感傷的に、センチメンタルに
同義語: con sentimento
sentito
センティート
 ・ 聞いて(=伴奏者は主奏者のテンポに合わせて)
sentire(感じる、聞く)の過去分詞(=形容詞)
senza
センツァ
 ・ 〜なしで、〜しないで/英: without
反義語: con
多くの前置詞は定冠詞と結合して用いられるが、この前置詞は結合しない。
  senza accompagnamento
  センツァ・アッコンパニャメント
 ・ 伴奏無しで
  senza pedale
  センツァ・ペダーレ
 ・ ペダルを使用しないで、ペダルをはずして
反義語: con pedale
  senza reprica
  センツァ・レプリカ
 ・ 繰り返しをしないで/英: without repeat
参照: D.C. / D.S.
  senza ripetizione
  センツァ・リペティツィオーネ
 ・ 繰り返しをしないで/英: without repeat
参照: D.C. / D.S.
  senza sordino
  センツァ・ソルディーノ
 ・ 弱音器を使用しないで、弱音器をはずして
反義語: con sordino/-i
  senza tempo
  センツァ・テンポ
 ・ 自由な速度で/直訳:等速でなく
参照:あれこれ「テンポと速度
serenata
セレナータ
 ・ セレナーデ、小夜曲
sera(夕方、夜)から派生した言葉
sereno
セレーノ
 ・ 平静な、澄み切った
seriamente
セリアメンテ
 ・ 真面目に、謹厳に
serio(真面目な)+-mente(副詞を作る接尾辞)
serioso
セリオーソ
 ・ 厳粛に、真面目に
serio(真面目な)+ -oso(形容詞を作る接尾辞)/Sは清音発音である
sf /sfz
  sforzando
  スフォルツァンド
  sforzato
  フォルツァート
 ・ (その音又は和音を突然)強く、強いアクセントを付けて
省略形 sf, sfz は共に同義・同発音である。
参照: forzare
sfp / sfzp
  sforzando piano
  sforzato piano
 ・ (その音又は和音を突然)強くそしてすぐに弱く、強いアクセントを付けてそしてすぐに弱く
省略形 sfp, sfzp は共に同義・同発音である。
sfrenato
スフレナート
 ・ 解き放たれて
sfrenare(馬の手綱を放す)の過去分詞
simile
シミレ
 ・ 同様に
sino
シーノ
 ・ 〜まで
同義語: fino
slentando
ズレンタンド
 ・ 次第に遅く
= rallentando, ritardando
<slentare(ゆるめる、緩和する/稀用語)のgerundio(動名詞)
smorendo
ズモレンド
 ・ 次第にゆっくりそして弱く
= ritardando + decrescendo
<smorire(血の気が引く、死にかける/稀用語)のgerundio(動名詞)
同義語: calando, mancando, morendo, perdendosi, smorzando
smorzando
ズモルツァンド
 ・ 次第にゆっくりそして弱く
= ritardando + decrescendo
<smorzare(消える、和らげる)のgerundio(動名詞)
同義語: calando, mancando, morendo, perdendosi, smorendo
soave
ソアーヴェ
 ・ 甘く、柔らかく、優美に
= dolce
 ヴェネツィアの西地域には良いブドウ畑が広がる。そこで生産されるワインは「ソアーヴェ」の銘柄で愛好者も多い。
solo
ソーロ
 ・ 独奏(曲/者)、独唱(曲/者)、ソロ/英: only, alone
参考: solista = 独奏(唱)者、ソリスト(語尾は -a であるが男性名詞/男性・女性いずれのソリストもイタリア語ではソリスタと称する)、solisti = 複数の独奏(唱)者
  soli
  ソーリ
 ・ 独奏者群、独唱者群
solo の複数形
例:混声合唱中における、各パート1名の独唱者・計4名のソリストによるカルテット部分を指す。
sonoro
ソノーロ
 ・ 良く響かせて、朗々と
soprano
ソプラーノ
 ・ ソプラノ(歌手)、女声の最高声部
参照: alto, mezzo soprano
sospirando
ソスピランド
 ・ 嘆息しながら
<sospirare(ため息をつく)のgerundio(動名詞)
sostenuto
ソステヌート
 ・ 音の長さを充分に保って
同義語: tenuto
sostenere(支える)の過去分詞(=形容詞)
sotto
ソット
 ・ 下に/英: under
前置詞であり単独で使われることはない。
  sottovoce
  ソットヴォーチェ
  sotto voce
  ソット・ヴォーチェ
 ・ 柔らかく、抑えて
声楽では、フルヴォイスに対し極めて柔らかく発声する技法。弦楽器では、コマより遠くで弓を当てて奏する技法。
同義語: mezza voce
  ottava sopra
  8va sopra
  オッターヴァ・ソプラ
 ・ 譜面より1オクターヴ高く
同義語: ottava alta, 8va alta, all'ottava alta,
反義語: ottava bassa, 8va bassa, ottava sotto, 8va sotto 等
  ottava sotto
  8va sotto
  オッターヴァ・ソット
 ・ 譜面より1オクターヴ低く
同義語: ottava bassa, 8va bassa
反義語: ottava alta, 8va alta, ottava sopra, 8va sopra 等
spiccato
スピッカート
 ・ 直訳:切り離して
弦の運弓法の一種で、急激な連続スタッカート奏法
同義語: saltellato
<spiccare(分離する)の過去分詞(=形容詞)
spiritoso
スピリトーソ
 ・ 生気を持って、元気よく
同義語: con spirito
spirito + -oso(形容詞)/Sは清音発音である
staccato
スタッカート
 ・ スタッカート、音を切って
staccare(切る)の過去分詞(=形容詞)
  mezzo staccato
  メッゾ・スタッカート
 ・ 少し音を切って
参照: mezzo
  staccatissimo
  スタッカーティッシモ
 ・ 出来るだけ短く音を切って
参照: -issimo(最上級語尾)
stentato
ステンタート
 ・ ゆっくり、速度をゆるめて/直訳:苦労して、骨折って
stentare(やっとの事で〜する)の過去分詞(=形容詞)
strepitoso
ストレピトーソ
 ・ 騒々しく
同義語: con rumore
strepitare(騒音をたてる、わめく)+ -oso(形容詞)/Sは清音発音である
stretto
ストレット
 ・ 速度を増して
原意は「狭い、差し迫った」で、曲の緊迫感を増すために速度を増すこと。
= stringere(締める)の過去分詞(=形容詞)
stringendo
ストリンジェンド
 ・ 次第に速度を増して
= stringere(締める)のgerundio(動名詞)
subito
スービト
 ・ すぐに、突然に
アクセントは後ろから第3音節目にある。
 余談:後ろから第2音節目にアクセントを置き、「スビート」と誤った発音を記した解説書が多いが、それは別単語の subire(こうむる、体験する)の過去分詞を示すので注意したい。
tanto
タント
 ・ たくさん、多く/英: so much
参照: troppo/tanto と troppo は互いに微妙に異なるが、楽譜上では、否定形で使用されるため、差異はないものと考えてよいであろう。
  non tanto
  ノン・タント
 ・ 多くなく、多すぎず/英: not so much
参照: non troppo
tempestoso
テンペストーソ
 ・ 嵐のように激しく、荒れ狂って
= tempesta(暴風雨) + -oso(形容詞)/Sは清音発音である
tempo
テンポ
 ・ テンポ
注意:日本語における「速度」とは概念を異にする。
参照:「イタリアあれこれ:テンポと速度
  tempo ad libitum
  テンポ・アド・リビトゥム
 ・ 自由なテンポで
同義語: ad libitum, a piacere
反義語: in tempo
参照: tempo giusto
  tempo di marcia
  テンポ・ディ・マルチャ
 ・ マーチの早さで
マーチのテンポは一般に[120拍/1分]のテンポである。
  tempo di minuetto
  テンポ・ディ・ミヌエット
 ・ メヌエットの早さで
メヌエットはフランス貴族の間で栄えた優雅な3拍子舞曲。
注意:時に menuetto の綴りが楽譜上に見られるが、独語(Menuett)・仏語綴り(menuet)と混同した作曲者が誤って記入した綴りである。
  tempo giusto
  テンポ・ジュスト
 ・ 正確なテンポで
1.ritardando または accelerando したくなる部分に、テンポを変えないように注意喚起する指示語。(= in tempo)
2.tempo rubato などで揺れていたテンポを、正確なテンポに戻す部分に表記する指示語。(= a tempo)
反義語: tempo rubato, (tempo) ad libitum
  tempo ordinario
  テンポ・オルディナーリオ
 ・ 普通のテンポで
同義語: moderato
  tempo ordinato
  テンポ・オルディナート
 ・ 整然としたテンポで
類義語: in tempo
  tempo primo
  tempo T
  テンポ・プリモ
 ・ 最初(= primo)のテンポで、曲の出だしと同じテンポで
テンポ変更されての演奏後、曲頭のテンポ「再現」を意図した指示。
参照: a tempo(直前のテンポで)
発音: primo は序数詞(英 first )で、アクセントは -ri- に落ちる。
  tempo rubato
  テンポ・ルバート
 ・ 自由なテンポで
rubato のみで表記されることも多い
同義語: a tempo rubato, senza tempo
反義語: in tempo
参照: tempo giusto
  a tempo
  ア・テンポ
 ・ (直前の)テンポで
ritardando や accelerando 等で一時的に変化したテンポを、変化前のテンポに戻す指示。結果として曲頭と同じテンポを示す(=tempo primo)場合もあり得る。
参照: tempo giusto, tempo primo
  in tempo
  イン・テンポ
 ・ (正確な)テンポで、テンポを揺らさずに
類義語: tempo ordinato
参照: tempo giusto
  l'istesso tempo
  リステッソ・テンポ
  lo stesso tempo
  ロ・ステッソ・テンポ
 ・ 同じテンポで
istesso = stesso (=英 same/同じ)
l' = lo 共に男性・単数型の定冠詞(一般型は il である)。定冠詞に続く単語の開始綴り・発音により、定冠詞が3種類に異なるが、訳語には無関係である。/参照:冠詞
  senza tempo
  センツァ・テンポ
 ・ 自由なテンポで/直訳:テンポなしで、without tempo
同義語: (a) tempo rubato
teneramente
テネラメンテ
 ・ 優しく、愛情を持って
-mente(副詞を作る接尾辞)
同義語: con tenerezza
tenuto
ten.
テヌート
 ・ 音の長さを充分に保って
同義語: sostenuto
<tenere(保持する)+ -uto(-ere動詞の過去分詞を作る接尾辞)
tranquillo
トランクイ
 ・ 静かに、心穏やかに
原意:静かな、穏やかな(形容詞)
trattenuto
トラッテヌート
 ・ 抑制して
<trattenere(抑制する)+ -uto過去分詞を作る接尾辞)
tre corde
トゥレ・コルデ
 ・ (ピアノの)弱音ペダルを外して/直訳:3本弦
同義語: tutte le corde
反義語: una corda
現代のピアノは、最低音域は1音に1本、低音域は1音に2本、中・高音域は1音に3本の弦が張られている。従って弱音ペダルを踏む(una corda=一本弦)と、低音域は1本、中音域以上は2本の弦をハンマーで打つことになる。そこで弱音ペダルを外すことを(中音域以上の状態を代表し)こう表現する。
tremolo
トゥレモロ
 ・ トレモロ/直訳:震える
アクセントは後ろから3音節目にあり「レ」が強い音となる。
troppo
トロッポ
 ・ 過度に、多く/英: too much
参照: tanto /tanto と troppo は互いに微妙に異なるが、楽譜上では、否定形で使用されるため、差異はないものと考えてよいであろう。
  non troppo
  ノン・トロッポ
 ・ 過度でなく、多すぎず/英: not too much
参照: non tanto
tutto
トゥット
 ・ ずべて、ありったけ/英: all
注:形容詞であるので、女性形は tutta / 男女複数形は tutti, tutte となる。
  tutta la forza
  トゥッタ・ラ・フォルツァ
 ・ 全力で
la = 単数女性定冠詞
  tutte le corde
  トゥッテ・レ・コルデ
 ・ 今まで踏んでいた弱音ペダルを放して/直訳:全ての弦で
同義語: tre corde
le = 複数女性定冠詞
  tutti
  トゥッティ
 ・ 全員で
独唱者・独奏者・独奏者群などの演奏者に引き継ぎ、全員が演奏に加わることを意味する。/tutto の複数形/ tutto 自身が複数の意味を持つが、文法上は「一塊の全て」と言う意味で単数である。例えばソプラノ(soprano)の独唱者に対し、ソプラノ群(soprani)は tutto である。各演奏者群の全てが tutti である。
参照: soli
una corda
ウナ・コルダ
 ・ (ピアノの)弱音ペダルを踏んで/直訳:1本弦
参照: tre corde
unisono
ウニーソノ
 ・ ユニゾン、同音
複数の奏者が、同一音(諸オクターヴを含むこともある)または同一旋律を奏すること。
発音: i にアクセント。 s は清音
<uni(結合、単一)+ s(u)ono(音)/s は母音に挟まれているように見えるが、suono(スォーノ)の語頭の s であるので、濁音発音とはならない。
urlante
ウルランテ
 ・ ほえるように
いわゆる正しい発声法でなく、乱暴にわめくような声楽演奏を求める指示。
<urlare(吠える)の現在分詞
veloce
ヴェローチェ
 ・ 敏速に、素早く
vigoroso
ヴィゴローソ
 ・ 元気良く、力強く
-oso(形容詞を作る接尾辞)/s は清音発音である
vivace
ヴィヴァーチェ
 ・ 快活に、生き生きと、素早く
allegro より更に快活な表情または速度を要求する指示。
  vivacissimo
  ヴィヴァチッシモ
= vivace + -issimo(最上級語尾)
vivo
ヴィーヴォ
 ・ 生き生きと、元気良く
volante
ヴォランテ
 ・ 飛ぶように軽く、素早く
= volare (飛ぶ)の現在分詞
volta
ヴォルタ
 ・ 〜回、〜度
  prima volta
  プリマ・ヴォルタ
 ・ 初回
  seconda volta
  セコンダ・ヴォルタ
 ・ 2回目
volti subito
V.S.
ヴォルティ・スービト
 ・ (ページを)すぐにめくれ
attacca, segue 等により、すぐに次の楽章・曲を演奏することへの注意として、念のために記入された指示語。
volti = voltire(まわす、めくる)の命令形。
W,X,Y
非イタリア語文字のため、この文字より始まる音楽イタリア語は存在しません
-zione
−ツィオーネ
動詞を名詞とする接尾辞。
=英 -tion
反対に、名詞を動詞にする接頭辞は a- である。
上記接尾辞・接頭辞共に、楽譜上の指示語としては、無視できるほど、使用は極めて希である。
「音楽用語」という概念はイタリア語には存在しない。
「音楽用語」を敢えてイタリア語に翻訳すれば、indicazione (指示)であろう。
このHPで「音楽用語」という単語使用を極力避け「標語・指示語」などと表現しているのはその為である。



少しずつ書き足し&校正しています
どんなことでもお気づきの点、ご指摘頂けると幸いです