2001年8月23日(木)晴れ
狗留孫岳(772)・烏帽子岳(865)

立田小学校(11:10)→尾根取り付き(11:30)→篠立林道道出合(12:10)→
狗留孫岳山頂(12:20〜13:35)→烏帽子岳山頂(14:00〜14:15)→
狗留孫岳(14:45〜15:30)→篠立林道(16:00)→駐車地点着(16:25)

狗留孫岳山頂

反射板付近より藤原岳
 大型の台風11号は猛威をふるって海上を東へと抜けていった。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。そんな中たまたまもらえた休みの朝をゴロゴロと過ごした。ふと窓から外を覗くと台風一過のいい天気だ。なんだか身体がムズムズしてきて10時過ぎに家を出た。
 向かった先は先日購入した「鈴鹿の山ハイキング(中日新聞社)」の一番目に紹介されている「狗留孫岳。」いわゆる良く登られている鈴鹿の山とは違って里山のような存在の山だ。
 国道365号を篠立の手前まで走る。国道沿いに立田小学校がありその裏手側に登山口がある。登山口の傍らには烏帽子岳までの手書きの案内板がある。烏帽子岳へ至る途中に狗留孫岳はある。
 車をちょっと離れたところに停め10時10分出発。登山口まで戻って杉林の中へ入っていく。
 左手に神社を見ながら進んでいくと十字路に出る。そこを左に曲がって真っ直ぐ進む。舗装はやがて途絶え少し荒れた林道となる。
 左手に沢が近づいてくると古めかしい水道減圧漕がある。作られた当初は最新の装置だったのかなと思いながら脇を過ぎていく。林道の終点になると流れを左手に渡る。台風が過ぎた後で増水が心配だったが流れは落ち着いている。谷の右岸を目印に従ってしばらく登る。やがて踏み跡は左に折れ尾根上に向かう。
 尾根上に出てからはほぼ真っ直ぐ登っていく。踏み跡は時折薄くなる。目印を見失わないように注意しながら進んでいくと徐々に斜度が増してくる。足下は滑りやすく注意が必要だ。台風が過ぎて少しは涼しくなったとはいえかなり汗が出てくる。
 汗をかきかき登っていると前方で猿が数匹走り去るのがみえた。こちらは目一杯だからそんなに急いで逃げなくても大丈夫だよと思うのだが彼らにしてみれば必死なんだろう。
 やがて斜度が緩くなってくると右手からの尾根と合流して、そこを左手に折れる。檜越しに烏帽子岳がまだ遠くにみえる。
 篠立林道からの道の合流点を過ぎて雑木林の中の良く踏まれた道に入る。先ほどまでとは違ってゆったりした気分で歩いていく。やがて反射板の立つ大きな切り開きの広場に出る。ここが狗留孫岳山頂だ。12時20分到着。
 広場からは御池岳、藤原岳がよく見える。その山容を見ていると、あの稜線やあの尾根を歩いた記憶がよみがえる。反射板の下まで歩を進めると東側に展望が開け員弁川の先に伊勢湾まで見える。初日の出の時には伊勢湾からのご来光が見られそうだ。でも、そんな真冬の朝にここを訪れるような人はいないのかもしれない。
 気持ちのいい展望の中で大休止にする。吹く風が少し秋の匂いを含んでいる。いい気分だ。今まで知らなかった山でもこんなにすばらしいところがあるのだ。まだまだ鈴鹿にもたくさん登らなきゃいけない山があるなと改めて思った。
 1時間ほど休んで烏帽子岳へ向かってみることにした。

烏帽子岳

鉄塔巡視路より霊仙山
 山頂から西に続いている踏み跡に入っていく。意外としっかりした踏み跡で、踏み跡と言うよりは道である。脇に鉄塔を示す標識が立っている。どうやら鉄塔巡視路のようだ。所々プラスチック製のブロックで階段も作られている。しばらく行くと右手に養老山脈がみえる。稜線上で展望があるのはそこぐらいで後は雑木林の中を歩いていく。しかし、気持ちのいい雑木林で、美濃平家の尾根道のミニチュア版といった雰囲気だ。
 緩やかに上り下りする道を歩いていくと巡視路は尾根上をはなれ下に向かう。その地点で右手尾根上を上に向かって赤テープの目印があり辿ってみる。
 目印は尾根上を上に向かって進んでいく。やがて背を越す笹が生い茂ってきて踏み跡が分からなくなる。こんな状態が長く続いたら嫌だなと思いながらとにかく真っ直ぐ進んでいくと間もなしに山頂の切り開きに出る。傍らを見ると案内板があり今来た道は廃道化しているので使えない旨のことが書かれてあった。何ということだ。
 烏帽子岳は2度目の登頂だ。前は雪のある中を訪れた。その時と同じで山頂の展望はない。切り開きもそんなに広くないし、蠅がうるさくてしかたがない。落ち着かないので写真を撮ってさっさと退散することにした。
 帰りは山頂より西に下る道を降り鉄塔巡視路に出て左に進む。ちょっと行ったところからは三国岳、高室山、鍋尻山、霊仙山などの展望がありしばし見とれる。
 再び狗留孫岳に戻ってしばらく休んで下山する。下山は篠立林道へと下った。こちらの道の方がわかりやすく利用しやすいかもしれないと感じた。林道に降りてからは林道をひたすら歩く。途中「長楽寺」の前を過ぎる。時間があったら立ち寄ろうと思っていたが何となく気が引けて寄らずに帰った。