2001年10月14日(日)晴れ
滝波山(1412.5)

936m付近広場(7:50)→滝波谷沿い踏み跡(8:40)→尾根取り付き(9:10)→
山腹岩場(10:10〜:25)→主稜線(10:35)→1386mピーク(11:10)→
滝波山山頂(11:50〜13:30)→谷の合流点(14:20)→936m付近広場(15:05)

南主稜線より滝波山

滝波山山頂
 先週登る予定にしていた滝波山へ行って来た。
 滝波山は板取村最深部の福井県境にある。西隣には谷を挟んで尾根を平行に並べた美濃平家がある。
 洞戸から板取川沿いに進み、板取川温泉を過ぎて島口に至る。島口で白鳥方面へ向かう道と分かれて北へ向かう舗装路に入る。舗装路を進んでいくとロッジ風の家が何軒か建っておりそこを通って橋を渡り未舗装の林道に入る。林道は最深部まで進んでいくと山腹を登っていくようになる。この最深部から踏み跡が奥に続いており、ここから谷沿いに歩いていき谷を詰めたところで尾根に取り付きそのまま滝波山山頂に至るコースが本に紹介されている。しかし、そのまま林道を更に上まで行ってみる。
 林道は車一台がやっと通れる程度で所々コンクリートで舗装されている。未舗装部分もそれほど荒れてはおらず無理なく車を進めていける。地図上の936m付近で道は大きく左へ回り込む。この辺りの広場に車を停めて付近を探っていると車を停めたすぐ脇に赤い布の目印がある踏み跡を発見。恐らくここから谷の方へ降りて谷沿いの踏み跡に合流するのだろうと早速辿ってみることにした。
 7時50分出発。天気は上々で駐車したところからは蕪山や高賀山が見えた。踏み跡は初めのうちしっかりしていて、これは楽に登れるかなと思ったがすぐ下草の生い茂った植林帯になり踏み跡も分からなくなる。とにかく谷の方へ下ろうとあっちへ行ったりこっちへ行ったり灌木帯の中を突き進んだりと悪戦苦闘しながら下る。やがて草の生い茂った平に出てその縁の辺りでテープの目印を発見。地図と照らし合わせてこのまま平の縁を辿るようにしていけば何とかなるのではないかと思い進んでいく。

駐車地点から蕪山方面

滝波谷の流れ
 小谷を越えて下草の少ない台地状の雑木林を進んでいくとやがて続けてテープの目印がされているところに出た。テープを辿っていくとやがて谷方向へ下り谷沿いの踏み跡と出合った。ここまで来れば後は何とかなるだろう。
 そこからは、目印も目立ち踏み跡もあるのでとにかくそれを辿って谷沿いに進んでいく。踏み跡は谷に降りたり脇の高いところに入ったりしながら進む。脇に入ると藪とまでは行かないが木の枝が被さっていたりして歩きづらい。
 やがて道が谷へストンと落ちるように下る所に出る。落差で5〜6m位で真ん中あたりにテープの目印がしてある。しかし、踏み跡とも分からない下り方が不審に感じ周りを見回す。すると左手側に目印を見つける。道の流れからしてそちらの方が自然に思えそちらの目印を辿ってみる事にした。しかし、これが大きな間違いでとんでもない計算違いになってしまった。本当はここを下って流れを渡り中央部の尾根に取り付かなければいけないのだ。
 目印は谷沿いに奥へと続いている。若干藪が濃くなり歩きづらいが難渋するというほどでもない。しかし、流れの涸れた谷芯を歩いた方が楽そうである。やがて目印は雑木林の山腹を急登するようになり、木を掴みながらよじ登っていく。
 ある程度登ったところでふと右手側を見ると、不審なピークが尾根の向こうに見える。何であんな所にピークが見えるんだ、と地図を広げてみる。しかし、まだこの時点では予定していたコースを登っていると思いこんでいるので、地図を見てもどこかの尾根の出っ張りがピークに見えるぐらいにしか思えなかった。実はこのピークこそが滝波山だと確信するのはまだまだ先の話だった。
 急登を終えると緩やかな斜面の雑木林に出る。踏み跡といったものはほとんど見られず、古びたテープの目印だけを頼りに慎重に進んでいく。
 再び急斜面を木枝を掴んでよじ登るようになる。やがて急崖とでも言っていいような所をよじ登ると岩場に出る。そこだけ草も樹木もなく明るく見晴らしが良い。振り返ると蕪山や高賀山はもちろんのこと御嶽山や乗鞍、穂高連邦までが見える。しばしここでつかれた身体を休める。

岩場より霞む御嶽山

主稜線上の色付いた雑木林
 ここで改めて地図を取り出す。ここまであのピークは何だったのだろうとずっと考えていた。そのことを確認したかった。この見晴らしの良い所から見える地形と照らし合わせてみる。やはりどう見てもあのピークは滝波山であるようだ。やっとここでそのことを確信した。今まで南側の主稜線に向かって登っていたのだ。しかし、今更引き返すわけにも行かず、とにかく上へ向かって登っていくことにする。
 崖から灌木の中に突入していきやがて笹藪にはいる。斜度は緩やかになるが笹藪は濃くなる。笹が乾いていることがせめてもの救いだ。笹を分けて目印を辿っていくと稜線上らしきところに出る。そこに幾つか目印がしてありここから右手折れて稜線上に目印が続いている。
 笹藪の中の目印を見失わないように慎重に進んでいく。やがて斜面を登るようになり最初のピークが近づいてくると笹が薄くなってきて幾分歩きやすくなってくる。ピークを越えると笹はほとんどなくなり雑木林の中を比較的快適に歩いていく。それでも目印を見失わないように慎重に歩を進める。
 樹木の間には時折、右手に御岳、左手に美濃平家や平家岳が見えたりする。とても気持ちのいい稜線だ。この分だと案外早く山頂に着くかもしれないなと呑気に考える。
 やがて檜の大木の立つ1386mピークに至る。ここからは北に滝波山のピークが見える。後もう少しだ。
 ピークを過ぎると再び笹が生い茂ってくる。まるで俺をなめるなよとでも言っているようだ。別になめていたわけではないので勘弁してください、と思うのだが笹はどんどん濃くなっていく。
 目印を見失わないように慎重に笹を分けながら進んでいく。30分強の格闘の末ようやく笹が薄くなってきたと思ったら知らない内に山頂ピークに取り付いていて灌木を越えていくと切り開かれた山頂に出た。
 やったー!着いた!思わぬ苦労をしただけに感激の登頂だ。11時50分着。山頂は南側が切り開かれており蕪山や高賀山、サンノウの高、日永だけ、ドウの天井などが一望できる。山頂からちょっと西に下った雑木林からは樹間に美濃平家、平家岳、そして荒島岳などが見える。
 気持ちのいい日差しの中、滝波山に乾杯。苦労したけど楽しい山歩きでした。

山頂より南主稜線

山頂より蕪山
 帰りは、登ってくる予定だったコースを下っていった。山頂から東に僅かに下ると、幾つか目印がしいてあるところがあり、ここから真っ直ぐ尾根伝いにも踏み跡があるがそちらではなく南東側へ下っていく。こちらは、目印がかなりしてあるし踏み跡もついている。しかし、急斜面が多く、木枝が若干邪魔な場面もある。下部では笹の中に踏み跡があるがともすると見失いがちになる。ただ、尾根筋を辿るようにすれば間違いも少なそうだ。こちらから登ればもっと短時間で登れるはずだった。