2002年1月6日(日)曇り時々晴れ
藤原岳(1120)

大貝戸登山口(7:50)→5合目(8:25)→8合目(9:20)→
山荘(10:35〜12:50)→登山口(13:40)

5合目より伊勢湾方面

藤原荘
 新年の挨拶をしに藤原岳に行って来た。
 去年、一昨年と藤原岳には元旦登山で行っていたんだけど今年は天候もあまりよろしくなさそうだったので元旦登山はやめにした。その後も天候はよろしくなく山に行きそびれていたら何時の間にやら6日になってしまった。そろそろどこかに登りたいなと思っていて、結局、初登山はここにしないと落ち着かない、ということで出掛けた。
 今回は大貝戸道のピストンと決めてスタート。藤原町付近はかなり雪がついていて雪国状態。登山口の駐車場も20センチほどの雪が積もっている。
 空は雪雲に覆われている。雪もちらほら降ってこれは降雪の中の山行になるかとちょっと心配になる。天気予報では晴れるような予報が出てたんだけど。
 7時50分出発。登山道にはいると新しい踏み跡が雪についている。どなたか単独行で先に入山されているようだ。これはありがたい。ラッセルが心配だったが先行者がみえるのならその心配が軽減する。
 完全冬装備なので歩き出すとすぐに熱くなる。汗も噴き出してくる。夏の時よりも汗の噴き出すのが早い。
 5合目前後で天気が良くなってくる。それとともに杉の上部についた雪が陽光に温められてそこら中で落下してきて雪煙を上げている。あんなのに直撃されたらかなわんな、と頭上を気にしながら植林地帯を抜けていく。
 何とか雪の爆弾の直撃は免れて8合目へと近づいていく。この辺りから積雪量がかなり多くなってくる。気温も低くなってきてちょっと寒さを感じるようになる。
 8合目についてさてどうしよう。先行してみえる方の踏み跡は夏道の方に続いているようだ。でも冬道の方がショートカットできて近い気がする。しかし、トレースは全くない。悩んだ末、冬道に行くことにした。
 冬道に飛び込む。ワーイ!ふっかふかの雪だ。なんて言っている場合じゃない。ワカンを履いた足で膝上まで埋まる。天気もちょっと悪くなって雪が舞っているし、大丈夫かな、と心配になる。でも新雪で抵抗が少ないから何とかなるか。
 目印は急斜面を直登していく。それに従って進んでいく。時にはピッケルで雪を押さえながら進む。何だか去年2月の湧谷山みたいだ。あの時はこんなラッセルを4時間近く続けたっけ。今日はそこまではないと思うけど雪になれない身体ゆえ大変だ。
 9合目で夏道と出合ってホッとする。振り返ると今付けた踏み跡が新雪の中に続いている。下山時にはこの踏み跡がみなさんに踏まれて立派な道に変わっていて感激した。「平木道」と命名したいくらいだ。
 9合目をちょっと過ぎた辺りで下山してこられる方に出会った。どうやら踏み跡の主のようだ。ひとりでほとんど新雪ような深雪をラッセルされて既に下山されるとはすごい。

藤原荘辺りから展望丘

笙ガ岳方面をのぞむ

 深雪は結局山荘に着くまで続いた。山荘の表は建物に遮られてか雪がほとんどついてない。天気は再び回復して青空も覗いている。10時35分到着。取り敢えず山荘にはいるのは跡にして付近を散策。といっても山荘の裏の丘へ上がって東方の風景を見に行っただけだけど。展望丘の方にはトレース全くなし。ラッセルして行く気もしないので今日はここまでとしよう。
 散策を終え山荘の扉に手をかけたがビクともしない。「えー、なんでー」まさか鍵がされてるなんて事はないよな、と思いながら力を入れてみるが動かない。最後の手段。ピッケルの先を隙間に入れてこじてみる。するとやっと扉が動いた。開けて吃驚。扉の内側に雪が積もっている。どうやら隙間から吹き込んで溜まったらしい。この溜まった雪のせいで扉が動きにくくなっていたのだ。荷物を下ろしてまずはこの雪どけにかかる。
 きれいに片づいたところで後続の方々が見えた。話を聞くと後何組か登ってみえるとのこと。今日は賑やかになりそうだ。
 登山者ノートを読んでみると、元旦に登った方が結構みえた。知ってる方もみえたのでやっぱり元旦に登れば良かったと後悔。来年は元旦にくるぞと誓った。しかし、昨年も「来年も元旦にここにくるぞ」と誓っていた気がする。
 時間が経つと山荘の中は人で一杯で座るところも苦労するほどになった。やっぱりメジャーな山だなと改めて思う。こういう状態になれてないのでちょっと息苦しさを感じてしまう。
 雪山の下山は早く降りられるので好きだ。転んでも痛くないし。今日も良い山歩きができたなと思いながら新雪にまみれて転がっていった。麓に着くと空は快晴。何だかすがすがしくて気持ちが良かった。