霊仙山(1084)


2006年1月29日 日曜日 (晴れ) 単独行 


7:04 養鱒場駐車場

:21 登山口

10:05 見晴台

10:58 台地西端

11:42 三角点ピーク

13:44 下山開始

14:53 登山口

16:00 養鱒場駐車場


天気予報では全国的に高気圧に覆われて快晴と出ている。そこで、前々から考えていた「霊仙山をショートスキーで滑る」を実現すべく醒ヶ井へと向かった。

今年は醒ヶ井付近も積雪が多かろうと大垣を早めに出た。醒ヶ井の養鱒場に着いたのは6時半頃。まだ周りは暗い。養鱒場から先の林道は除雪されておらず車が入れない。仕方がないのでここの駐車場に車を停め霊仙山登山口まで歩くことにした。

登山口までは4キロ弱ある。林道の雪は状態が悪くショートスキーを付けて歩く気にはならない。倒木も所々ある。仕方がないのでスキー板はザックにくくりつけ慣れないブーツでトボトボとまだ薄暗い中を歩いていく。そのうち段々周りが明るくなってきてふと見上げると真っ青な空がのぞいている。いい天気になりそうだ。そう思うとわくわくしてくる。

霊仙山登山口

単調な林道を一時間半弱歩いてやっと見覚えのある霊仙山登山口に辿り着く。ホッと一息ついてから、登山道へと入っていく。入ってすぐにまだ真新しい吾妻屋が設置されていた。最近、建てられたものらしい。中に入って休憩するのもいいかもと思いながら先が気になりそのまま前を通り過ぎる。

カナヤの小屋までは夏道が雪に完全に埋まっている。しかし、谷沿いに進んでいけば自然にカナヤの小屋に出ることはわかっているのでそれほど不安はない。歩きやすい所を選んで順調に進みカナヤの小屋に出る。ここから右に進んで山腹を登っていく。カナヤの小屋は表側に倒木があった。あれをどけるのは大変そうだ。

一登りで汗ふき峠に出る。雪のない時に登るよりあっけなく着いた感じだ。汗ふき峠から先にはもちろん新しいトレースはない。ただ、夏道が整備されているところなので雪が付いていてもそれとなく道がわかる。それをなんとか辿って先に進んでいく。

気温は高めのようで歩くと少し汗ばむ。足下は乾いた雪が積もっている。ブーツが埋まるほどの積雪だが乾いているため抵抗はさほどない。

見晴台より霊仙山

4合目を過ぎて広い緩やかな尾根に出る。普通に登っていれば楽しいスノートレックになりそうだが今はショートスキーを担ぎ慣れないブーツでの歩行でちょっと余裕がない。しばらく行くと見晴台に着く。本日初めての展望は最高だった。青空の下、比良の山々までがくっきりと浮かんで見える。

しばらく休憩していよいよ急斜面へとのぞむ。しかし、ここで困ったことが…。記憶の中では確かこの急斜面は右手に巻くように進んでいったと思うのだが、今右手側を見るとそれらしき雰囲気がない。では左はどうかというとこちらも登山道があるような感じではない。迷ったあげく結局左に進むことにした。右は陽の当たる斜面にでるので雪崩れたらいやだなあと思ったからだ。

新雪の付いた急斜面をジグザグに登っていく。新雪の下は若干硬めの雪になっている。雪崩が起きるとすれば表層雪崩か、ショートスキーで滑降するとしたらエッジが利くのか、そんなことを考えながら休み休みに歩を進めていく。

やっとの思いで急斜面を登り切り、霊仙山の台地西端に出る。目に美しい雪原が飛び込んでくる。しばらく見とれてしまう。それまでの疲れを一気に忘れさせてくれるすばらしい雪原だ。ここを歩いていくのかと思うと胸がときめく。

台地西端付近の雪原

ここからショートスキーを履いた。雪が乾いていて、又適度に締まっていて歩きやすい。どこを見ても真っ白な雪原は、山頂を訪れるよりも雪の豊かな斜面での滑降を楽しんだ方がいいのではないかと誘い掛ける。そんな誘惑を感じながら進んでいる内に、三角点ピークの麓当たりに着く。

ここから見上げる三角点ピーク下の斜面はショートスキーで滑降するのにもってこいに見える。ここを滑らないと苦労してここに登った甲斐がないのではないかと思わせる。それで、一気にそれまでの誘惑が消し飛んで、この斜面を登ることにした。

三角点ピークの麓に荷物を置いて身軽になって斜面を登り始める。急斜面に見えたが意外と登りやすい。一気に登ってピークのわずか下までくるとそこから先は岩が出ており板を付けたままでは行けない。折角ここまで来たのだから三角点を訪れようと板を脱ぎ残りのわずかな斜面を登った。

三角点ピークからの眺めはいつもながらすばらしい。北は伊吹山から白山、北アルプス、乗鞍、御嶽、等々。南は鈴鹿の山々。西を見れば、琵琶湖越しに比良の山々。見飽きない山々だが、風が若干強い。また、時間が時間だけに空腹感も襲ってきて早々に滑り降りていくことにした。

三角点ピークから伊吹山

三角点ピーク下の斜面は思った通り楽しく滑ることができた。正面に伊吹山を見ながらの滑降はすばらしい。雪質もちょうどいい感じでターンも決まる。しかし、楽しい時間はアッと言う間に終わった。後は、束の間の楽しい時間を反芻しながら休憩をとった。

休憩している内に、後から後へ登山客が現れた。本日は、三角点ピークにあった二つの足跡と自分だけと思っていたがそうではなかった。そのほとんどは中高年で、その元気さに感服する。

こちらも負けじと休憩を終え、三角点ピークの北側にある高みに登りコースを変えて2本滑る。しかし、南斜面のためか雪質が重く思うように滑れなかった。

下山も3合目付近まで板を付けて下ったがやはり雪が重く疲れた。手を抜いてワックスを掛けてなかったせいもあるかもしれないが…。

三角点ピーク北側の高み

本日は「霊仙山をショートスキーで滑る」が最高の天候の中で実現でき印象深い山歩きとなった。時間が経つにつれてその思いが強くなる。ただ、ちょっと負担が大きかったのか左膝が痛くなったのと、慣れないブーツでの歩行で脛の皮がむけてしまった。トホホ…。