養老山(859.3)

2006年1月1日(晴れ) 同行者1名 


12:19 養老の滝駐車場

13:21 小倉山への中間地点

13:39 三方山分岐

13:57 笹原峠

14:15〜15:39 小倉山

17:00 養老の滝駐車場


新年を迎え、年末の寒波で稜線辺りを真っ白にしている養老山に行ってきた。

前々から新春登山をしようと友人と話していたのだが、その友人が家の事情でいけなくなったと当日早朝に知らせてきた。今更ひとりで山に行く気もしなく、寝正月を決め込んでいた。天候は予報に反して良好でもったいない気もしたが、年末の雪かきで疲れた身体を休めるにはちょうどいいかと思っていた。昼近くになり再び友人から連絡が入った。やっぱりどこか登りに行ってくる、ということだった。それなら俺も行く、ということで急いで仕度し、近くの養老山に向かった。

年末の大雪は数十年ぶりの積雪を記録した。故郷(根尾)でも2m近くの積雪があり、七十代後半の父親は「こんなのは経験したことがない」と言っていた。養老でもそれは同じようで普段はないであろう麓付近でもまだ溶け残った雪がかなりある。養老の滝へと続く林道も両側に雪が壁になっておりただでさへ狭い道を更に狭くしている。山頂付近はどんなであろうか、期待に胸が膨らむ。

養老の滝の駐車場もどけた雪でスペースが非常に狭くなっている。1000円も駐車料金をとるんだからもっと整備してもいいんじゃないかと文句を言いたくなる。なんとかよいスペースを見つけ車を停め早速登山の準備にかかる。

前回、藤原岳の時と同じように今回もショートスキーを持って登ることにした。そのため、養老山とはいっても荷物の量は多い。それに引き替え友人は羨ましいほどの軽装だ。

駐車場を昼過ぎに出発。駐車場の上にある林道に入る。林道は積雪に轍はあるものの除雪はさせていない。そんな雪の上にまだ新しい踏み跡が幾つか付いている。恐らく今日のものだろう。正月早々、自分達以外にこういう状況の山に登る人達がいるんだと友人と感心していた。

尾根の取り付きになる谷は流れのあるところ以外は一面が雪におおわれている。積雪量もかなりあり流れを渡る所では一段降りなければならない。流れを渡って尾根の斜面に取り付く。明確なトレースがあるが、本来の登山道は雪の下に埋まっておりトレースが夏道を辿っているのかどうかははっきりしない。上部になると急斜面に小規模ながらデブリがあり、雪崩れる危険を感じる。また歩いている雪がそのまま崩れれば滑落の危険もある。身近な山でもこれだけ雪が降れば危険な山域となるのだと思う。

三方山分岐点
尾根上に出る辺りで、明らかにトレースが夏道とは違うところに付いている。薮のような中をくぐり抜け小倉山までの中間点辺りに出る。ここで小休止をしスキーを履く。

スキーを履くと歩行も楽になる。が、登山靴で歩く友人は快調に歩いていてとても追いつけない。いつもならばこちらが彼を先行し、追いつくのを待っているのだが今日は立場が逆転している。雪かきの疲れも手伝っているのだろうが思うように進んでいかないのは靴がゲレンデスキー用のものであるからだろうか。やはりスキーで快適に登るには山スキー用のブーツを購入しなければいけないのだろうか。

小倉山直下の雪原
三方山分岐点手前で下山してくる十数人のパーティーに会った。中にはスノーシューを履いた方もみえた。それを見て友人が羨ましそうにしていた。それを受けて、あんなのは日本の山にはあわん、ワカンの方がずっといいと主張したがもちろん負け惜しみである。余裕があればスノーシューもいいと本音の所では思っている。

三方山分岐点からはなだらかな斜面。ここからは、スキーの本領を友人に見せつけてやるぞと密かに思っていた。三方山を踏んでくると言う友人の帰りを待っていざ出発。ここからは負けないぜと自信満々に友人を先行させた。しかし、その思いはすぐに崩れた。例年にない雪の量は軟弱なこの辺りの木々を容赦なく押し倒し道のここかしこで行く手を塞ぐ。当然そういう場面ではスキーなんてのは邪魔なだけで、友人からどんどん後れをとる。更に笹原峠前後では、道が普段より高くなっており通常は何でもない木々が薮を漕ぐような感じで歩行を邪魔する。ああ、登山靴で普通に登れば良かったと今更の様に思った。しかし、何とかそこを抜け小倉山直下に出たときはゲレンデのような斜面を目の当たりにして、再び胸が膨らんだ。こんな所を滑ってみたかったんだ。そういう思いに後押しされ最後の一登り。

小倉山山頂は積雪に中央のテーブルが埋まっている。その分視線が上がって見晴らしはすばらしい。曇っていて遠くは望めないが十分な眺めだ。

小倉山山頂西でスノーハイク
倉山山頂の西側にある東屋は半分雪に埋もれており、屋根に登れそうになっている。実際、友人は屋根に上がって休憩に入った。誘われるように屋根に上ろうとしたがスキーブーツでは思うようにいかない。結局友人に助けてもらってなんとか上ることができた。

屋根の上でのんびり休憩をとり、その後付近をスキーでスノーハイク。長くはないが滑ることのできる斜面もありまるで子供のようにはしゃいだ。友人は、僕のワカンを履いて同じように付近を歩き回って楽しんでいる。これも、例年にない積雪があればこそなせる業かもしれない。生活の上では迷惑この上ない大雪もここでは希にない楽しみを与えてくれた。両人満足して2006年、初山歩きを終えたのだった。