大日ヶ岳(1708.9)


2006年4月9日 日曜日 (晴れ) 一名同行 


9:25  ダイナランド ゲレンデ最高点出発

10
:03  高鷲スノーパーク横

10:33  前大日

10:50〜13:10  大日ヶ岳山頂

13:58  ダイナランド センターハウス前


この冬は、天候に恵まれ雪の山に行くこと数回。特に3月は奥美濃白鳥周辺の山へほぼ毎週のように足を運んだ。そのすべてがフリーベンチャー(ショートスキー)を伴っての山行で林間での歩行や滑降に慣れてくるに従がってレギュラーサイズの山スキーをやってみたい思いが強くなっていった。そして、野伏ヶ岳での体験に背中を押されるようにして山スキーのセットを求めた。そんな中、偶然、ディナスター(昔はダイナスターって言ってたのにいつの間にこんな呼び方になったんだ)のLEGEND4800 '04〜'05モデルが50%オフで販売されているのを見つけた。

Hです
この板に山用ビンディングのディアミールをつけた写真をどこかのホームページで見たことがある。結構、重量の軽い板だ。山スキー専用板は軽いが割高なのでそれ以外で板を探していたのだがまさにおあつらえ向きだ。早速板だけ購入。しばらくして、ディアミール、シール、アイゼンなども購入した。手に入れると使わずにはいられない。来シーズンを待つなんてとんでもない話だ。せめてどこかの山で試走したい。そこで、いろんなホームページをみて雪の状況や山の状況を調べた。

調べる中で、ダイナランドスキー場のラストが4月9日だと知った。思ったより今年は遅くまでやっている。ということは雪もまだ豊富にあるわけだ。ダイナランドからは尾根伝いでそれほど難しくなく大日ヶ岳に行ける。天気予報を見ると9日は晴れになっている。これは行かなければなるまい。ということで、アクティブゲレンデスキーヤー、友人Hを「ダイナランドが9日でラストになるから最後に滑ろう」と言って誘い入れ高鷲へと向かった。

天気がいい上にリフト券も安くなっていてしかもラスト。これは混んでるかなと思ったが、最盛期に比べれば比較にならないほど人は少ない。ゲレンデは滑りたい放題である。ただ上級者コースのゲレンデ右手側はリフトが運行していない。まあ、それでも十分である。こちらは山に入っていくのだから…。

Hには山に入ることを前々日に伝えた。フリーベンチャーを貸すから一緒に入ろう、あなたの滑りはバックカントリー向きだからと誘ったがゲレンデに着いても彼は迷っていた。

ゲレンデは足慣らしと思ってとりあえず2本滑った。新品の板はゲレンデではまずまず調子がいい。春のゲレンデなので重雪だが快適にターンを刻んでいける。山での滑りが楽しみだ。

ゲレンデにはところどころ林があるがそういう所でHをけしかけ林の中を滑ってもらった。北海道出身で子供の頃から足のようにしてスキーに親しんできた彼はそんな所もなんてことなく滑り降りていく。しかし、そんなことをしている内に山で滑ってみたくなってきたらしく自らフリーベンチャーを車に取りに行った。

ゲレンデ最上部で板にシールを貼り登る準備をする。Hにはフリーベンチャーの使い方を説明して、さあ、いよいよ山へ。
穏やかな尾根を行く

本日は入山者が多いようだ。準備をしている間にも数人が山に入っていった。見ているとほとんどがスキーヤーのようだ。みなさんこの天気に誘われるようにやってきたのだろうか。

まずは、尾根の急登だ。去年の夏に登った経験からこの山はここを登りきってしまえば後は楽に進めるはずだ。しかし、ここが結構きつい。気温も高いからすぐ汗が噴出してくる。ただ、新品のスキーは思ったほど重くは感じない。これなら登っていくのに不安はない。

一方、ゲレンデブーツに慣れないフリーベンチャーを履いて登っているHはどうかというとこれが結構頑張っていて遅れずについて来る。しかも、彼は下りにフリーベンチャーばかりでは嫌だからと両手に重めのゲレンデスキーを持ってこの急斜面を登っているのだ。もともと体格がいいから体力はあるのだがそれにしてもすごい。こちらも負けられないと気合を入れ直す。

急尾根を登って右手に高鷲スノーパークのコースが見えてくると斜度も緩やかになり、穏やかな尾根歩きになる。Hはここから登ればさっきの苦労はなかったのかと少しぼやいたがまあ今更そんな事を言っても始まらない。

そのあたりでHはゲレンデスキーをデポして身を軽くする。急に歩きやすくなったようでさっきまでの苦渋に満ちた表情はどこへやら。と思ったがブーツがちょっとあたって痛いらしい。

緩やかな尾根を進んでいくとやがて目の前に急斜面が現れる。雪面には幾つかのスキーのあとが残っているがそのほとんどが斜面を直登している。すごいなと思うが疲れるのが嫌なのでこちらは斜面をジグザグに切って登っていく。

一登りで急斜面の上に出ると又なだらかな尾根になる。左手側の展望が開けていい眺めだ。

とここでHが足の痛さをしきりに気にしだした。かなり痛いらしい。ちょうど僕のザックの中に傷あてパッドが入っていたのでそれを擦れているところに貼ってみた。それで何とか歩くには支障ない程度にはなったようだ。
前大日より大日ヶ岳

気を取り直して進んでいくとすでに下山してくるスキーヤーやボーダーが結構いた。中にはお年を召した単独のボーダーもいてHと二人「かっこいいなあ」「ああいう風に年取りたいなあ」と感心していた。

やがて前大日のピークに到着。ここからの大日ヶ岳の姿がきれいだ。夏に来たときもここから大日ヶ岳を見て、登ってきて良かったと思ったものだ。

大日ヶ岳までの尾根上には登山者やスキーヤー、ボーダーが結構いる。中には尾根上にジャンプ台を作ってカマス谷の斜面へ飛び込んでいるボーダーのグループもあった。飛び込むといってもほとんど落下している状態だ。一歩間違えば大怪我をしそうだが本人たちにはそのスリルと浮遊感がたまらないのだろう。

こちらも前大日の斜面を滑り降り一気に山頂へ…とは行かなくてやはり山頂まではえっちらおっちらと急斜面を一登りしなければならなかった。

山頂より野伏ヶ岳
やっと登りついた山頂は広い雪原になっている。展望は360°。晴天の中で近辺の主だった山々はすべて見えるといった具合だ。乗鞍や、北アルプス方面は靄がかかって見づらいが十分な眺めだ。特に白山の姿がすばらしい。今年見た白山の中で一番きれいだ。

やや遅れてHも山頂に到着。彼はもう疲れ果てたという感じで腰をおろしてそそくさと荷物を広げ始める。実はさっきから早く宴会がしたいと言っていたのだ。彼の楽しみはそれなのだ。こちらももちろんこんな気持ちいい場所でアルコールに身を浸したすのはやぶさかではないがその前に一滑りしたい。Hにそう告げて彼にどうするか聞いたが疲れたのと足が痛いのとで今はこれ以上動きたくないとのことだった。仕方がないので一人大日谷に向かうことにした。

荷物を置いて身軽になって大日谷へと飛び込んでいく。雪質はやや重めだが広い谷は適度な疎林になっていて滑っていて楽しい。2,3のシュプールが残っているが今は他に誰もいなく頂上周辺の賑やかさとは反対に静かでいい谷だ。このままどこまでも滑っていってこの森を満喫したい思いになる。しかし、今は上に待つ人もあり、またあまり滑り降りると登り返すのも大変になるからと適度なところで滑降をやめ後ろ髪を引かれる思いをしながら谷を登り返した。

大日谷の樹林帯を滑る
山頂に戻ってみるとHはすでに缶ビール一本をあけいい顔である。こちらも早速汗をかいた体にビールを注入する。気持ちいい。最高だ。天気は穏やかで風もないに近い。見渡せばすばらしい峰々が周りを取り巻いている。そんな中でゆったりとした時間を過ごすこの幸せ…。
くつろぎタイム

しかし、いつまでもこの山頂にいるわけには行かない。ここが潮時かとどちらからともなく荷物をまとめ始める。だいたい2時間の休憩だった。いつもと同じだ。さあ、ではシールをはずして下りにかかろう。

Hは十分休憩をとったせいか慣れないフリー・ベンチャーのはずなのにすでに乗りこなしたように自由気ままに滑っていく。こちらも負けじとそれに付いていく。ふと見ればカマス谷の急斜面が滑降を誘いかけてくる。しかし、今日はいかない。又の楽しみにしてスキー板をはずし前大日に登る。前大日から北の疎林も滑ったら楽しそうだがそれも又の機会に。前大日から急斜面を滑り降りアッと言う間にHがスキーをデポした場所に。ここからがHの本領発揮。こちらは逆に用の済んだフリー・ベンチャーをザックにくくりつけ慎重に斜面を下る。

下りはダイナの本日は使われていない上級者コースを下ってくる。荷物が重いのでターンを深くしてそれこそ慎重に下る。Hの方は後で聞くとリフト下の谷を下ってきたそうだ。本当に自由奔放な滑りをする彼である。

楽しい一時は終わり、後はゲレンデを2本滑って本日終了。帰りは温泉に入り疲れを落として家路についた。

白山をバックに
ところでスキー板の方だがその滑りは満足のいくものでもうスキーシーズンが終わってしまうのが残念でならない。もっとこの板で滑ってみたい。ゴールデンウィークに白山に行こうかなあ。Hは少しは山スキーに興味を持ったようであった。もっとのめり込んでくれないかなあ。