縫ヶ原(1317.0)


2007年2月4日 日曜日 (曇り後晴れ) SHIGEKIさん、Tsutomu 山スキー


6:50 真名川ダム

7:20 林道分岐

7:50 尾根取付き

10:20 西尾根稜線

10:45 林道

11:45〜14:35 モッカ平彷徨、宴会

17:40 真名川ダム


持篭谷左岸の林道をシール歩行していく。
緩やかな斜面の樹林帯を進んでいく。感じのいい樹林だ。
なめらかな雪面が広がる台地。ここでのんびり過ごすのも良さそう
稜線に出る手前には思いもかけなかったブナ林が…
ブナ林は緩やかな斜面に広がる。結構な大木もそこかしこに…
稜線から林道へ。この林道沿いも素敵なブナが点在していた。
モッカ平の森。もっと奥へ進みたかったが…それよりも…
宴会場所より稜線をのぞむ。天気も最高で気持ちいい。
緩やかな林道を辿って下山開始。この林道からの展望もよかった
パウダーツリーラン!しかし、この後こける(^^;
山スキーにいきましょ、SHIGEKIさんの呼びかけにどこにしようか決めるのが楽しかった一週間だった。結局行き先は前々日に縫ヶ原と決まった。西に広がるモッカ平は地形図を見て以前から気になっていたところ。こんなに良さそうな斜面なのに山スキーのレポにはあまりお目にかかれない。難所でもあるのかと思ったが山日和さんから得た情報では問題なし。どのルートをとるかを考えるのも楽しい一時。山スキー初心者のSHIGEKIさんの事を考慮して(僕も初心者みたいなもんですが…)ルートを決めた。

大垣を出発するときは横殴りの雨でえらい天気。待ち合わせ場所の福井ICでは落ち着いていたが真名川ダムに着くと雨は雪になって吹雪いている。これは厳しい状況。それぞれの車で取りあえず6時まで待つことに。しかし6時になってもあまり状況は変わらず更に30分待つ。その30分の間、登る山の変更を考えていたがついには口に出さなかった。後でそのことをSHIGEKIさんに話したら「あの時そう言われたらすぐのりましたわ」との事だった。結果的に変更を口にしなくてよかった。6時半頃になり次第に周りが白みはじめてくると雲も上がり始め激しく降っていた雪もやんだ。

準備をして出発。スキーをザックにくくりつけ真名川ダムを越えていく。トボトボ歩いて持篭谷に架かる橋をこえ少し行ったところの林道分岐点へ。ここでスキーを履き持篭谷左岸に上っていく林道をシール歩行。

林道にはそれほどの雪はないがスキーで歩ける程度には積もっている。林道から左手側の空を見ると次第に晴れ間がみえてきている。これは良い感じだ。モチベーションが上がってくる。

林道を進んで谷を一つ越え少し行ったところで尾根への取り付きを物色。この尾根は地形図を見ていかにもなだらかで登りやすく滑りやすそうに思っていたところ。ここならSHIGEKIさんにも負担が少ないだろう。

林道でちょっと遅れたSHIGEKIさんを待って尾根に取り付く。いきなり急斜面を登って行かなくてはならなかったがそれもわずかで後は比較的なだらかな斜面が続く。

取り付き近くは植林帯だったがすぐに終わり後は自然林の斜面を登っていく。とても良い感じだ。いわゆる雑木林だがこれはこれでいい。SHIGEKIさんも「ブナ林とはまた違ったよさがありますなあ」と感激している。

斜面は緩やかに続き上に行くに従って雪質はよくなっていく。それにつれスキーの沈みも大きくなりラッセルも大変だ。こんな所をワカンでラッセルしてたら結構きついだろう。しかし、ラッセルの大変さと反比例してこの樹林を縫いながら滑降することへの期待が高まりモチベーションは上がっていく。次第に晴れ渡ってきた空も期待を大きくする。

なだらかな、といっても部分的には急登になるところもある。そういうところは斜登高で登っていく。しかし、パウダーの斜登高はきつい。一歩一歩きっちり踏みつけていかないと雪ごとズレ落ちていってしまう。

尾根を登っていくと何度か林道に出合う。洞吹さんはこの斜面で尻セードで林道にジャンプしたそうだ。登るとき恐らくここがその林道だろうなあと思ったところで帰りに僕も危うく林道にダイブするところだった。寸前で気付いてなんとか止まることができた。ふーっ。

最後の林道との出合いを越えるとちょっときつい急斜面。ここを一登りすると広い平に出る。降り積もった新雪がなめらかな曲面を描き広がっている。SHIGEKIさんを待つ間に辺りを散歩。ここで一日を過ごしても良いかもしれないと思える。

平を越えて進んでいくと徐々に右手に西尾根主稜線が近づいてくる。予定ではこの稜線に上がって縫ヶ原に辿り着く積もりだ。後少しだ。SHIGEKIさんを励まして進んでいく。

稜線が近くなったところで思っても見なかった風景に出会えた。太いブナがあるとは聞いていたがこれほどとは。斜面になめらかに積もった雪。その上に枝を広げるブナ林はなんとも形容しがたい。思わず立ち止まって見とれてしまう。そして後ろを振り返り「SHIGEKIさん、すごいよ!」と思わず叫んでいた。

なめらかな雪面に2本のレールを描くように進んでいく。なんだかそれがとても悪いことのように思えてくる。特にSHIGEKIさんには悪いなあと思う。ラッセル代だということで許してもらえるだろうか。前を行く僕は処女雪原に浮かぶブナ林を独り占めだ。

感動のブナ林を越えて稜線上に出る。稜線上は藪が出ており進みづらい。しばらく行くと進行方向に雪稜が立ちはだかっている。地形図を見た限りではなんとか越えていけるのではないかと思ったが今実際に見るとかなり厳しい。ここは、早々に諦めて林道におりモッカ平経由で進むべきだと判断した。SHIGEKIさんにその旨伝え左手斜面を斜滑降で林道まで下る。スキーだと下りは早くルート変更も楽だ。

林道に下りるとここも素敵なブナがそこかしこに立っている。素晴らしい。さっきのブナ林といいこれだけでもう十分な感じだ。きっと二人の内どちらかがこのブナ林を肴に休憩しようと言い出せばそのまま休憩に移りそこから下山していただろう。

林道はほぼ平行に山腹を進んでいく。このまま進んでいけばモッカ平だ。問題はモッカ平でどこから取り付くかだ。

この取り付きで2回の間違いを犯す。一つ目は地形図を見て取り付こうと思っていた地形とよく似ていたため勘違いして違うところに取り付いたこと。これはしばらく登ったところで様子がおかしいと気づき引き返した。

二つ目は取り付こうと思っていたところに取り付いたのだがそこを先に進んでいくと尾根が切れてしまい、それ以上進むには危険な渡渉をしなければならなくなってしまったこと。情報量の少なさからのあやまりだった。これで2度目の引き返し。

ここでSHIGEKIさんがリタイヤ宣言。足が痛くて上までは無理そうということだった。ルートを間違えたことも影響しているのだろう。申し訳ないことだ。

ここで待っているというSHIGEKIさんと別れてモッカ平の樹林へと入っていく。なだらかな尾根は歩きやすい。このままの状態が続けばいいがそうは行かないのが世の常。やがて眼前に結構な斜面があらわれる。ここを登って進んでいけば縫ヶ原まではわずかだろう。しかし、今この斜面を登る気力が湧いてこない。昼になり空腹であったこともあるが1度のルート変更と2度のルート間違いでモチベーションがかなり下がってしまった。山頂を目指すより今はこの雪原の中で宴会をしたい。その気持ちが強い。迷わず下ることにしてSHIGEKIさんの待つ所まで滑っていった。

宴会は林道で執り行われた。SHIGEKIさんが林道に積もった雪にスコップで穴を掘りそこに足を入れて簡単な宴会テーブル&ソファーのできあがり。ピーカンに晴れた空に霧氷の樹林。最高の宴会場でビールがうまい。また、前回好評だったサントリーのウィスキー「無頼派」が今回も美味しい。しかし、残念なのはSHIGEKIさんが鍋材料をごっそり忘れてきてしまったこと。またご相伴に与れると思期待していたのだが。次の時はよろしくお願いしますよ。

宴会を終え、なだらかな林道を登ってきた尾根に出合うまで下っていく。この林道歩きが思いの外長かった。自分達のラッセルしてきた跡を辿っている内はまだましだったがラッセル跡がなくなってからはそれこそ先に進むのがつかれた足に辛い。僕はこの時点でシールもはずしていたので尚更だ。

林道途中で、2名の登山者にあった。他にはいないと思っていただけにビックリだ。その方達は登りに間違えて取り付いた尾根をスキーで下りてきた。話しを聞くと縫ヶ原まで行って来たらしい。今日はよかったでしょう、と聞くと、風がありましたがよかったです、とのこと。羨ましい。この方達はモッカ平から持篭谷に下りている尾根を辿って登ったとのこと。よくよく見ればそれが縫ヶ原への最短ルートのようだ。今後の参考にしよう。

長い林道歩きを終えいよいよ期待していた尾根の滑降に。樹林の間隔がちょっと狭いが滑り出すとパウダースノーで気持ちいい。結構長い斜面なので十分満足な滑りができる。SHIGEKIさんも満足げだ。しかし、下部に行くに従い雪質は悪くなり徐々にターンもままならなくなる。それでもなんとか下まで滑り降りて最後は林道を直滑降。真名川ダムに着く頃には周りは薄暗くなっていた。その中に浮かぶ荒島岳の真っ白な山頂が印象的だった。