猫岳(2581m 乗鞍)


2007年2月17日 土曜日 (晴れのち曇り) 単独 山スキー


6:20 R158駐車場出発

7:30 久手牧場トップ

8:25 夫婦松

10:00 乗鞍スカイライン大崩山直下

11:10〜:45 猫岳山頂

12:35〜13:45 夫婦松で休憩

14:25 R158駐車場 


久手牧場トップから輝山南斜面をのぞむ。ちょっと雪が少な目か
牧場より上の尾根。比較的なだらかな斜面にパウダースノー。
夫婦松から加賀白山。どこから見ても神々しい。
穂高連峰をのぞむ。間近に見えて迫力がある。
うさぎの足跡を辿って緩やかな尾根を登っていく。
先行者のトレースを辿って緩斜面を進む。
乗鞍スカイラインより猫岳をのぞむ。輝いてきれいだ。
猫岳山頂より乗鞍岳の峰々をのぞむ。凛として厳か。
休憩を終えると上部から曇ってきた。
大垣を早朝に出発。今回の目的地はスキーメジャーの乗鞍・猫岳だ。東海北陸道に乗り飛騨清見を経て平湯方面に向かう。

湯トンネル手前にある橋の左岸側スペースに車を停めて出発。橋の袂から雑木林の尾根に取り付く。

尾根は雪がついているものの凍っていて登るのが大変。苦労して一登りすると林道に出る。林道を横切り牧場施設らしい平らかなとこを渡って急斜面に取り付く。本当は林道を通っても良いのだがこの方がショートカットできて良さそうに思えた。しかし、これが判断ミス。切り開かれたこの斜面は踏み込んでみると雪が凍っており下手をすると滑落して下まで落ちてしまいかねない。中腹まであがって後悔。クトーもつけてみたものの方向転換がかなり恐い。結局最後はスキーを負ぶってキックステップで登っていった。

急斜面を登り切って緩やかなところで再びスキーを履く。そこからわずかで牧場のトップに着く。ここまでもっと早く着くつもりだったが思いの外手こずった。これじゃあ、先が思いやられる。まあ、でも途中敗退でも良いから焦らず行こう。

牧場トップからは朝陽にてらされた加賀白山が神々しく見えている。また、正面には輝山が南斜面を見せている。この斜面も山スキーのルートとして紹介されており気になる。所々地肌が見えるようで雪は少な目のようだ。

牧場トップからは緩やかな尾根になるということだ。その尾根を見上げると昨日のものだろうか、シュプールがいくつか残っている。その先は針葉樹林の中に吸い込まれていく。

尾根には登りのトレースも残っている。それは斜面につく林道らしき跡を辿ってジグザグに登っている。しかし、それでは時間が掛かりそうなのでシールの利く限り直登になるようなルートをとっていった。

雪質はいい。サラサラとはいかないが良い感じのパウダーだ。これがずっと続いている。ここだけ滑っても十分楽しめそうな感じだ。下山時の滑降が楽しみになってくる。

針葉樹林の中を通って尾根の斜度がゆるくなってくると間もなくで夫婦松到着。広々とした場所でやはり西の白山の眺めがいい。少し登っていくと北東側に穂高連峰の全容が見えるようになる。なんだかメジャーな感じがして(実際メジャーな所なんですが…)他に誰もいないのだが少し気恥ずかしい感じがした。

若干風があり途中で脱いだアウターを着て少し休憩。天気は今のところ上々だ。

休憩を終え夫婦松を奥へと進んでいく。するとここまであったトレースが途絶えた。そこから先はまったくトレースらしきものは全く見あたらない。目印らしきものもなさそうだ。

無垢なパウダースノーにトレースを刻んで緩やかな尾根上の針葉樹林帯へ入っていく。ルート的には尾根筋をずっと辿っていけばいいので簡単だ。後は体力。沈み込みは縫ヶ原の時と同じくらいなのでそれほど大したことはない。しかし、普段経験のない高山にいるせいか少し進むとすぐに息があがる。その度に立ち止まって呼吸を整える。こんなで上まで持つかなあ。

無垢と思えた雪の上にはウサギの足跡が走っている。他に辿るものもなく慰めにこの足跡を辿って登っていく。少し視線をあげるとダイヤモンドダストが朝陽にきらめいている。

写真を撮りつつ息を整えていると後ろから単独スキーヤーが追いついてきた。これまで全く姿を見なかったからかなりのスピードで登ってこられたのだろう。その勢いに思わず道を譲って先にいってもらった。しかしなんだかラッセルをさせようとしたみたいでいい気がしない。何とかラッセルをかわれるようにと後を追うがついていくのが精一杯。とてもラッセル交替します、なんて言えるような感じじゃなかった。途中、ルートの取り方の加減で偶然先行してラッセルしたがやはりスピードが合わず途中で譲る事に…。後はラッセル泥棒とあいなりました。

ラッセルを辿ってその後は楽させてもらう。スカイラインと何度か出合って針葉樹林帯を抜けると大崩山直下に出る。そこから延びるスカイラインを進んでいくと、徐々に猫岳が近づいてくる。その斜面が陽を受けて輝いてきれいだ。

やがて大崩山と猫岳の鞍部への取り付きに至る。ここからも先の方のトレースを辿って進んでいく。樹木の少ない急斜面は途中からアイスバーンになっておりクトーをつけてひやひやしながら登っていく。足下が滑ったらただではすみそうにない。帰りにここを滑り降りていくの?ちょっと僕には無理そうだ。左右の樹林帯を見ながら下山用のコースを物色しながら登った。

上部に至ると斜度が緩やかになり相変わらずカリカリの斜面は続くが気持ちもだいぶ落ち着く。後は右手に見えるピークに登っていくだけだ。

登って行くに従って風が出てくる。ピーク近くになるとかなりの強さになり、呼吸が苦しいくらいになる。それでもなんとか山頂に着くことができた。バンザーイ。しかし、風が強すぎて風景をゆっくり見る余裕がない。それでもなんとか写真を撮り、風のよけられそうなところを探す。ピークより東側に岩が幾つかありその影が風が弱そうなので移動。先の人はピーク近くに頭だけ出した松を風よけにして休憩していた。

先の人はやがて滑り降りていった。寡黙な感じの方だったがスキーの方は見た限りかなりの腕前のようだ。羨ましいなあ。こちらは風を避けてしばらく休憩。正面には穂高連峰、乗鞍の峰々。その雪をまとって凛とした姿は美しいがその反面、怖さも感じた。

休憩を終えていよいよ滑降。ピーク北のなだらかな斜面に飛び込んでいく。雪面は凍った雪の上にうっすら新雪がかぶっているところとアイスバーンそのものの所があり気をつけないと転びそうだ。しかし、広々としていて気持ちはいい。慎重に下っていき鞍部のだだっ広い雪原に出る。ここを左手に下りていけば登ってきた急斜面だがとてもあの凍った斜面を降りる自信はない。雪原をトラバース気味に滑って大崩山西斜面の樹林帯にはいる。

樹林帯の中は思った通りパウダースノー状態。しかし、斜度の割に樹林が密すぎてターンが難しい。無理すればできそうだが斜滑降していけばスカイラインに降りるはずだから無理はせず樹林帯を斜めに降りていく。やがてスカイラインに出てトレースを辿って滑り降りていると登ってくるスキーヤーに出会う。

僕より年配の方で雪の状態などを聞かれる。話しを聞いているとどうやら滑りがメインの方のようだ。更に進むと女性の方が登ってきた。先ほどのお連れだろうか。凄いな。

スカイラインのカーブから樹林帯に飛び込む。登ってきたときの印象より樹林が密でルート取りが大変だが斜度が緩やかで所々で楽しくパウダーツリーランをする事もできた。

夫婦松まで滑り降りてここで大休止。穂高連峰を目の前にできるところに場所を作り、まずは「無頼派」の雪割りで乾杯。ほどよく疲れた身体にアルコールがしみていく。今は風もなくなんだか良い感じだ。

時間が経つと西の空から曇り始めてきた。天気予報では午後から崩れると出ていたがその通りのようだ。崩れる前に降りよう。再びスキーを履きパウダーの樹林へと入っていく。

朝楽しみだと思っていた尾根はやはり思っていた通りだった。適度な斜度があり樹林もそれほど密でなくおまけに適度なパウダー。ルートを選んで気持ちよく滑り降りていく。

尾根上には朝はなかったかなりの数のシュプールが残されている。恐らくパウダーを味わうためにこの尾根だけを訪れるスキーヤー、ボーダーがかなりいるのだろう。夫婦松でもそうしたボーダーのカップルが休憩していた。滑るためだけならこの尾根だけでも十分だろう。

牧場の下部は樹林の中を斜滑降したりして適当にR158まで降り今日の山行は終了。無理かと思っていたピークまで辿り着けパウダースノーも十分味わえたので大満足。後は近くの平湯温泉へ行き「アルプス街道 平湯」のほぼ貸し切りのような展望露天風呂で今日の山行を反芻しながら疲れを落とした。