小津権現山・藤波谷


2007年5月3日 木曜日 (晴れ) 沢登り 単独


6:55  藤波谷入渓地

:40  15m2段滝

9:00  岩屋

10:00 滑滝

10:45 二俣

11:20 尾根取付き

11:45〜13:15 山頂

16:40 入渓地


入渓してからすぐにあらわれる10m滝
静かな谷に朝陽が差して清々しい
懸垂下降をして危うく滝を巻いていく。
登りごろの滑滝があらわれてニコニコ
二俣の手前で最後の大滝。右から巻いて越える
山腹に敷き詰められたイワウチワ…すばらしい
横山ダムを過ぎて藤波谷の入渓地の広場に着くと車が一台。先行者かなあ、と覗いていると左岸尾根から下ってきたおじさんに怒鳴られた。車上狙いと勘違いされたよう。

おじさんは渓流釣りで谷に入ったものの滝に進路を阻まれ戻ってきたとのこと。聞けば今日は既にこれで三本目の谷だとか。どこも人が入っていてダメらしい。もう諦めて帰るということだった。

準備を整え入渓。すぐにゴルジェがあらわれその奥に10mほどの2段滝。おじさんはこれに阻まれたんだな。

直登は無理。左手のルンゼを登って巻いていく。

しばらくは小滝が続く明るい感じの谷。のんびり歩いていると15mほどの2段(3段?)の滝。ここは左手のルンゼに目印があったが見ると上へ追いやられそうな感じだったので右手から巻くことに。

土の積もったもろい斜面を登りやすそうなところを選んで登る。しかし右へ右へ追いやられてしまい、これはまずいと少し戻りなんとか落ち口の方へトラバースできそうな所を見つけて進む。滝をのぞき込むと正面からみえる滝だけでなくその奥にも一段滝がある。それも越して少し行ったところでロープを出し懸垂下降。落ち口の右岸にある小尾根を見るとそこに目印。目印を辿った方が正解だったか。

降り立った先に更に5m程の滝。これも越せなくて折角懸垂下降したところを少し登り返して巻く。

少し先に進むと右手からの支沢との出合い。明るい場所で何故か数段の石垣があった。ワサビ田の跡だろうか。ここで少し休憩。

朝陽の差し込む明るい沢を進むと右手に大きな岩屋。10人位雨宿りできそうだ。奥には鹿の骸。既に骨になっている。足の骨などもあったからここで倒れたようだ。

岩屋を過ぎて幾つか小滝を通過。両側の岩が迫って細くなった所の滝で小さな淵を左からへつる。この先の大岩のチョックストーン3mは左岸のもろい土斜面をトラバースし懸垂下降。その後も3mほどの滝が幾つかあったが巻く。

左岸の支沢に大きな多段の滝がかかっていた。上まで50mほどあるだろうか。なかなか良い感じの滝だった。

明るい沢が続きしばらくすると数十mほどの滑滝。やっと楽しく登れる滝があらわれたとニコニコしながら進む。その先にも3mほどの斜瀑や多段が連続してなかなか楽しい。

ふと右手のルンゼ上部を見上げると古い石垣があった。こんな所に何故?砂防用?

滝が影を潜めてもう終わりかと思った頃、行く手を阻む8m滝。これを右手から倒木を使って危うく越すと二俣に出る。

二俣は左に進めばすぐに稜線。ここは右に進んでもうしばらく谷を楽しもう。

右俣を少し入ると滑滝。楽しい!と勢いで登ったが上部でホールドが上手く見つからずもがいて這い上がる。その先も幾つか小滝があってすっくと立つ巨木があらわれたあたりで水涸れ。このまま沢をつめても良いが右岸の植林にイワウチワが咲いていて気になった。

植林に這い上がると山腹一面イワウチワで足の置き場もないほど。これほどの群落は初めてで感動。すごい、すごいと思いながら植林の急斜面を登り尾根上の踏み跡に出る。

この踏み跡は藤波谷右岸尾根に新しくつけられた登山道で山頂まで続いている。後はお気楽登山。上部の笹もきれいに刈られている。

こんな日だから山頂は賑わっているかなあと思ったが誰もいなかった。沢装いを解いて山頂を独り占め。見慣れた花房山や、雷倉。遠くは霞んでみえない。花房山の東前の谷はもう一度いかなきゃなあ。

単独登山者が小津の方から登ってきた。三河からだそうで麓まで2時間半かかったとのこと。近辺の山の状況をいろいろ聞かれた。「ヤブコギネット見てください」と別れ際に宣伝。見てみえるかなあ。

のんびり山頂で過ごした後は新しい登山道をスニーカーで下っていく。始めが急斜面の下りだが後はそこそこで1時間半ほどで入渓地の右岸に出た。途中の緩やかな尾根には日本山岳会岐阜支部の「私たち県民の森づくり」という旗がそこかしこにはためいていた。この先どういう森になるのだろう。