佐谷


2008年9月20日(土) 曇り後晴れ  佐谷  養老  大垣市上石津  単独  沢歩き


8:15 浄水場前広場 → 8:55 T字出合 → 10:40 鉄塔巡視路 →
11:45 15m大滝 → 12:15〜13:00 休憩 →
14:40 養老山 → 16:40 浄水場広場


台風一過の晴天の下…とは行かないが天候は落ち着いている。
沢に行こう。



2006年の「岳人」に紹介されたという養老の沢。
聞いた話しによれば大洞谷の南にある蛇行した沢らしい。
ここだろうと目星をつけて向かった。



上石津・緑の村公園手前の前ヶ瀬から林道に入る。
地形図上の点線路を辿って沢の出合まで行きたいのだが入口がどこなのかわからない。
ウロウロしている内に多良簡易浄水場から牧田川に向かって下りる階段があるのに気付いた。
これだろうと下っていくと果たして山腹を水平に行く道に出合った。



水平路は意外と歩きやすい。
しかしそれも束の間で途中道が流出していた。
そこから牧田川の川原に下りた。



牧田川の結構深い瀬を何度か渡渉してT字の出合に出る。
ここから目的の沢、佐谷に入った。



出合からしばらくは先日歩いた大洞谷と比べて荒々した感じだ。
しかしそれもすぐに落ち着いてくる。
やがてゴルジュが現れる。
大洞谷同様、ここも切り立った深い谷だ。



ゴルジュには滝はないものの結構深い淵があり雰囲気を出している。
大洞谷でも感じたことだが何でもなさそうなところにこういう沢があるのが驚きだ。



やがて上空が広くなり送電線が見えた。
このあたりでだいたい行程の半分くらいか。
更に進むと送電線巡視路が現れた。



こんなところに巡視路があるんだ!と驚いたが考えてみれば送電線があるのだから当たり前であった。
むしろ大洞谷で巡視路を見かけなかった方が不思議なのだろう。



巡視路脇には炭焼窯の跡もあった。
かつて人はこういうところでも炭焼していたのだ。



巡視路からわずかで4m程の滝が現れた。
水量が少なければシャワーで登れそうだが今日はちょっと無理。
滝のすぐ左側の壁を慎重に越えた。



更に進むと二俣に出る。
左俣奥のきれいな二条滝が気になるがここは予定通り右股へ。



右股はすぐに林道に出た。
実はこの林道より上が気になっている。
地形図を見るとここから上の等高線がかなり詰まっているのだ。



巨岩を右に左に越えていくとやがて目の前に広がる岩壁。
そこに流れ落ちる白い飛沫。
それは予想以上の大滝だった。



見ていると圧倒される。
落差は15m程だろうが雨後のせいか、水量が多い。
まさかこんな大滝が隠れているとは。
裏「養老の滝」と呼べそうだ。



直登は当然無理なので左の小尾根に取り付く。
土の急斜面をヒヤヒヤしながら登る。
途中落ち口側へトラバースできそうなところもない。
結局かなり上まで追いやられ落ち口左の痩せ尾根にのった。



岩肌の急な痩せ尾根を慎重に沢へ向かって下っていく。
沢まで降りられるのか心配だったが何とかつないだ。



沢に降りて落ち口の方へ向かってみた。
大滝の落ち口から上は連貘帯になっているようだ。
両岸は切り立った岩壁でちょっと恐ろしげだった。



大仕事を終えたところでプシュー&ランチタイムとした。



沢の中での休憩は何故か落ち着く。
たぶんせせらぎのゆらぎのせいだろう。
1/Fのゆらぎっていうやつ。
一時流行った。



幼い頃はこのゆらぎ、音の変化を敏感に感じていた気がする。
しかし、今はせせらぎはせせらぎの音としか感じられない。
歳をとるとはこういうことなのだろう。



休憩を終えてすぐに二条滝。
直登は無理。
しかし右側から何とか巻けた。
うっすらと踏み跡もあった。



一旦穏やかな流れになるがすぐにくびれたゴルジュとなる。
深くて越えるのが難しそうな淵の向こうに2m程の小滝。
両側は切り立っていて巻くのも大変そう。



意を決して淵を左からへつってみる。
案外いけるものだ。
最後は両側の岩壁に両手両足を押しつけるようにして這い登った。



奥にも同じような滝がありそれを越えると丸い淵を持った滝。
両岸は切り立ってもはや巻けるような感じではない。
幸い滝の前に倒木がありそれを伝って淵をへつりった。
滝は垂れていた蔓を頼りによじ登った。



後は比較的穏やかな渓相となる。
右岸側の尾根上が伐採されていてガッカリだがそれを見なければ良い感じだ。
本流を進んで植林帯に入り流れが無くなるとすぐに養老山脈縦走路に出る。



縦走路を北に進み養老山三角点に寄ってから林道に出る。
後は本日の沢歩きを反芻しながらひたすら林道を下った。