乗鞍岳・猫岳


2008年12月7日(日) 晴れ  乗鞍岳・猫岳  飛騨  単独  山スキー


6:45 御嶽ロープウェイスキー場駐車地 → 7:50〜8:20 ロープウェイ飯森駅付近 → 9:20 8合目付近 →
5:55 平湯トンネル西口 → 6:50 平湯峠 → 7:50 夫婦松 →
10:50 猫岳取り付き → 11:50〜12:35 猫岳山頂 → 13:05 大崩山山頂 →
14:30 夫婦松 → 15:10 平湯トンネル西口

単独行の多い僕だが決して一匹狼というわけではない。
結構人に影響されることが多いのだ。

福井のkyuさんが乗鞍岳の猫岳に行って来たそうな。
スカイラインを辿っての山スキー。
へぇ、この時季でもそうやっていけるんだね。

平湯温泉で車中泊。
4時には床をあげ朝食の準備。
何だか眠れない夜だったが不思議と寝不足は感じない。
空を見上げれば星が出ている。
期待感にモチベーションがあがる。

平湯トンネル西口から少し行ったところの乗鞍スカイライン入口はすでに閉鎖。
その手前に車を停めて出発。
まだ暗くてヘッドランプをつけての歩行。

前日のものだろう、明確なトレースがある。
その上に雪がかぶっている。

朝陽が登る頃に平湯峠に着く。
そこからスカイラインに入る。
右手には昨年辿った尾根が見える。
下りでこの尾根のパウダーツリーランにニコニコしたが今日はそれは望めないだろう。

夫婦松の平は見た目ではすぐそこのようだったが歩くとどうしてかなり遠い。
一時間ほどかけてようやく辿り着く。

晴れていれば白山など見えていい場所だが生憎雲が低く垂れている。
少し風もあってその風を除けるために建物の軒下で少し休憩。
手袋をとるとすぐに指先がしびれてくる。
かなり気温が低いようだ。

昨年はここからスカイラインをショートカットして進んだ。
しかし今回はまだ藪が出ていて難儀しそうな雰囲気。
スカイラインをトレースしていくことに。

ふと振り返ると後からトレースを辿ってくるスキーヤーが一人。
なんだか早そうだ。
多分どこかで抜かされるな。

幾つめかのカーブで突然目の前にスキーヤーが現れた。
服装から見ると先ほど後にいた人のようだ。
どうやらスカイラインをショートカットしてきたらしい。
「藪は出てませんでしたか?」
「ありましたよ」
と事も無げだ。
その後もこの方はショートカットを続け先行していった。

こちらはひたすらスカイラインをトレースしていく。
スカイラインを進むことでどれ程の時間がかかるのかも興味のひとつだ。
そして先ほどから晴れてきて展望も素晴らしくなってきた。
笠ヶ岳から穂高へのパノラマが左手に広がる。
この眺めはショートカットしては見られないだろう。

やがて大崩山西側に出る。
前方を見ると青空の下に猫岳が輝いて見える。
後少しだ。
しかし体はバテバテ。
少し休憩をとる。
登れるのかなあ。

昨年と同じ場所から猫岳に取り付く。
先行されている方はそこから更にスカイラインを辿っている。
ひょっとして四ツ岳に行かれるのかなあ。

取り付き場所は猫岳北側の沢だ。
途中からかなりの急斜面になりルート選択が難しい。
なんとか急斜面を乗り越えると穏やかな源頭部となる。
広がる雪原が素晴らしい。

鞍部に出ると正面に四ツ岳の息を呑むような立派な姿が見える。
ここから右に適当に斜面を拾って山頂を目指す。
昨年の経験からクラストに備えてクトーをつけた。

途中で滑り降りてくるスキーヤーに出会う。
さきほどの先行者のようだ。
どうやら反対側から登ってみえたようだ。

わずかで山頂に辿り着いた。
昨年は強風で息をするのも苦しかったが今日は無風といっていいほど風がない。
しかも天気は最高。
そして360°の大パノラマ。
おおおおお!最高ー!
この最高の展望に無頼派で乾杯!

やがて少し風が出てきた。
名残惜しいけどお暇しますか。

鞍部に慎重に滑り込んで大崩山まで登り返す。
大崩山は東側が本当に大崩していてちょっと恐ろしげ。

山頂部を進んでいるとスキー下の雪が突然抜け落ちた。
下は深い空洞…
抜け落ちた巾がスキーの長さより短かったので助かったが…
恐ろしい…

大崩山北斜面は地形図を見る限り滑り頃。
実際雪の状態によってはいいツリーランができるのだろう。
しかしまだまだ積雪量が少ないようで灌木が目立つ。

それでも途中、良い感じの斜面が続きツリーランが楽しめた。
しかしそれもわずかですぐに灌木やら倒木に悩まされる。
それらの合間を強引に滑ってなんとかスカイラインに下りた。

後は自分のつけたトレースを辿るだけ…と思ったもののスキーが滑っていかない。
ストックで漕いだりしてなんとか夫婦松に着く。
さきほどから曇ってきて登りと同様展望はない。

夫婦松から下は快適な下降ができた。
アッという間に平湯峠に着くことができた。
駐車地までもほとんど直滑降で下りて本日の山行も終了。
バテバテになったがなんだかんだと楽しかった。